選手の魅力を伝えるメディアの在り方
第101回高校サッカー選手権、今大会の推しチームは大阪・履正社高校でした。
残念ながら3回戦でPK戦の末敗退してしまったけれど、とてもいいチームでした。もっともっと見たかった…
わたしが高校サッカー選手権で応援するチームは、前の年に活躍していたり印象に残った選手がいることがほとんど。
あれから一年後の選手権でどのように活躍してくれるか、期待と願いを込めて応援するのが毎年の楽しみだ。
しかし履正社は例外で、川崎フロンターレ内定の名願(みょうがん)くんをきっかけに好きになった。
「三苫っぽい」と称されるドリブルと、キック力やコントロール力などのプレースタイルはもちろん
喋ると意外にもやさしい柔らかい雰囲気に惹かれた。
特徴的なドリブルが武器だとされているが、本人曰く「ドリブル以外も得意 キック力なども評価してほしい」とのことで
ガンバ大阪ユースとの対戦でプレスが速くパスが出せず、自分でドリブルしてみたらイケたので「自分ってドリブルが得意なのでは?」と気づいたらしいから驚きだ。なんだかマンガの主人公みたいな話。
そして魅力的な選手は名願くんだけではない。
左サイドバックの徳島ヴォルティス内定・西坂くんは名顔くんとのコンビネーションが注目された。
名顔くんの裏を抜けて相手を引きつけたり、ドリブルで1人で持って行ったりする。得点力も素晴らしく、直接観るととにかく上手かった。
キャプテンの古田くんはプレミアリーグ2位につけるほどの高い得点力を持っており、
名顔くんや西坂くんが注目されているが「一番点を決めているのは自分だ」と言えるほどの強いメンタリティも魅力的に映った。
また、大阪府決勝では他の選手が足をつっていくなか、最後まで走りまくっていた。
「この試合個人的には全然ダメだったので、他の選手に少しでも楽をしてもらうために」と語る姿はキャプテンらしく頼もしい。
そしてわたしが一番惹かれた選手は小田村くんだ。
大阪府予選で驚異の全4試合でゴールを決め、全国大会でも初戦・二試合目とゴール。すごすぎる。
ライン際で競り負けず、相手に当ててボールを出すゴリゴリのプレーも好きだ。
何より人柄が明るくて、監督が「お祭り男」、コーチが「あんまり調子に乗らせないでください笑」と言うほどのムードメーカー。
インタビューの終わりに「次も絶対ゴールします!!」と笑顔で言っていた姿が素敵だった。
履正社高校の選手たちの情報をたくさん知ることができたのは、ゲキサカなどの記事だけではなくYouTube『あすリートチャンネル』のおかげだ。
読売テレビ入社一年目の足立アナが大阪府予選にがっつり密着し、選手たちにインタビューをしている。
わたしたちが得ることができる選手の言葉は試合後や雑誌記事のインタビューだが、どうしてもマジメに答えているため堅く、パーソナリティが見えにくい。
足立アナが相手の心を開くのがうまいのか、履正社高校の選手たちが人懐っこいのか、あすリートチャンネルでのインタビューは選手たちの人としての魅力が伝わってきた。
インタビュアーである足立アナ自身の試合中の様子やどんな準備をしているのかを映してくれているのも素敵だと感じた。
高校サッカーと選手たちへの愛情を持ってやっていることが伝わってきたからだと思う。
大阪府決勝で履正社高校と死闘を演じた興国高校をはじめ、大阪府の高校サッカー全体の魅力を感じられた。来年からは大阪府予選にも注目したい。
毎度高校サッカー選手とメディアの関係性には考えさせられてきたが、あすリートチャンネルはメディアの在り方として発見だった。
選手たちのありのままの姿が魅力的なのだから、お涙頂戴しなくていいし、ドラマチックじゃなくていいのだ。
あすリートチャンネルさん、ありがとうございました。来年もぜひ…!