
「大学が必要なくなる」は本当か。#2就職予備校化現象
最近よく聞くようになってきた、「大学に行く必要がなくなるのではないか」という話。
これに対して、前回から
①モラトリアム期には自由と時間が必要
②就職予備校化現象
の二記事に分けて、独断と偏見溢れる持論を展開しようと思っていたのですが時間が空いてしまいました。
今回は②就職予備校化現象について。
先に言っておきますが、私は自分のところ以外の大学に通ったことがないのですごく偏見を含むと思います。悪しからず!!
大学は学問を学ぶ場ではないのか。
「大学に行く必要がなくなるのではないか」という論争でよく語られるのが、
そもそも大学生って勉強してなくない?だ。
すごく失礼な話だ。全大学生、今こそ立ち上がって文句を言ってやろうじゃないか!!
と言いたいところ。
でもどうだろう、恥さらし覚悟で言うが、少なくとも私は自信を持って「学問」を勉強しましたとは言い難い。
なぜなら、四年間ほとんど「実学」を学んできたからだ。大学もそれを重視し打ち出している。
実学ってなんのことを言っているのかというと、
「ビジネスマナー」「ビジネス文書のつくりかた」「企画書のつくりかた」「プレゼンの仕方」「営業の仕方」
など、社会に出てから直接的に役に立つもの。
これを大学で学んだ、なんて言うと驚かれることもあるから珍しいのかもしれない。
ただ、ここまであからさまではなくても、「実学」を重視する私立大学は増えてきている。
就活ありきの大学
なぜここまで私立大学で実学が重視されているのか。それはそもそも「就活」が関係していると思う。
今の大学は完全に、“就職活動ありき”だ。
言うまでもなく、世間は大売り手市場。
企業も学生の採用に苦戦していると、本当によく聞くようになった。
2020年卒の就活生なんて、夏休み(まさに今)のインターンでほぼ決まってしまうなんて話も。
実質の就職活動はどんどん早まっているし、
それまでの大学生活なんて本当にあっという間だ。
はっきり言って、遊んでいる暇なんてほぼほぼない。
こんな短い大学生活を経て、就職活動に何を武器として持って行くか。
そこで、大学で身につけてきた「実学」があれば、企業にとっても即戦力!採用したい!…となるかもしれない。
だから、大学は実学を重視するのではないか。
※あくまで私の仮説
学生ありきの大学
当たり前だけれど、大学は学生あってこそだ。
しかし、確実に学生の数は減っている。
就活市場と一緒で、大学も学生の確保に苦しんでいることは容易に想像がつく。
ブランド力のある大学は別として、ブランド力のない大学はどう差別化するか。
それがまさに「実学」なのではないか。
ある理論や一般常識を学ぶような、いわゆる学問的な科目は学生からの人気がない。
大学へ勉強しに行っているのに、勉強したくないのだ。何言ってるかわからないかもしれないけれど、割とこれが現実だと思う。
そんな人気のない科目ばかり扱う大学はどうだろう。多分、入学希望者数が少なくなるのではないか。
一方で「就活に有利」「座学が少ない」「プロジェクト型授業!」なんて謳い文句があったら、入学を希望する学生が増えるのでは。
大学の看板商品としての「実学」というわけだ。※あくまで私の仮説
大学のあり方は変わってくる
ん?待てよ、学問を勉強するわけではなく、社会に出て役に立つ「実学」を身につける場であれば大学じゃなくてもいいのでは??
あれ?あれれれ?大学ってなんのためにあるんだっけ、というのが私の持論だ。
ただ、私が大学で得たものはすごく大きい。
実学を学んだからこそ、今の活動でできることが増えた。経営学が私にばっちりハマったからこそ、勉強が好きになった。プロジェクトやキャリア教育のおかげで就活だって楽しかった。
何より、学問ばかりの授業内容だったら、こんなにも“学びたい欲”は湧いてこなかった。
結果論なのだけど、私は大学に行ってよかった。
だからこそ今考えているは、すぐに役立つものはすぐに役立たなくなるということ。
「実学」は社会に出てからすぐに役に立つと思う。その学習効果が出るのは早い。
でも、大切なのはそんなことなのか。
社会は目まぐるしく変わっている。社会でのルールや方法はあってないようなものかもしれない。
例えば極端な話、
私が学んだ実学というものは、社会人になってから2年でそれ以外の人に追いつかれると思ってる。
なぜなら、「実学」は働いていたら自然と身についてくるものだからだ。
果たしてそれを大学で学ぶ必要はあるのだろうか。
大学のあり方は変わってくるのだろうなあと、最近さらに思っている。
大学に変わる“何か”が現れてもいいのではないか。
大学卒業至上主義の終わりの予感…。
「大学が必要なくなる」は本当か。#1モラトリアム期には自由と時間が必要