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【米国株】相場に取り残された投資家は今、どう動くべき?
今週、米国株指数は最高値を更新しました。
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主要な個別銘柄の株価もすこぶる好調です。
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チャートを見たところ、絶好の株の買い場は4月でした。当時は米国の確定申告に備えての利益確定売りを受けて相場が軟調になり、イスラエルとイランの小競り合いで一気に株が売られている時期でした。
NVDAですらチャートは50日移動平均線を割れました。投資家は紛争の拡大、それによる原油高騰・インフレ再燃を恐れました。また、NVDAの株が急落したことを受けてAIブームは終わったのではないか?という意見が支配的でした。投資家の心は不安と恐怖でいっぱいだったのです。少し株価が下がれば、不安でいっぱいになって株を投げ売りたくなる衝動に駆られる。ピリピリとした状況でした。
一転、今はそういう雰囲気ではありません。不安や恐怖は一切ありません。あるのは、今から買っても大丈夫だろうかという買い遅れた投資家の焦り、なぜ自分はこの株を仕込むことができたか、という儲けた投資家の面白くもない自己満足投稿です。
絶好の買い場だった4月とは投資家の雰囲気は真逆なのです。自慢投稿が飛び交っている今が絶好の買い場であるはずがありません。
では、今のような局面で取り残された投資家はどう動くべきでしょうか?目先はアノマリー的にもう数ヶ月は上目線っぽい。しかし株価はかなり上がってしまっている。移動平均線から結構乖離してしまっている。
この時、買い遅れた焦り、追いつきたい衝動が投資家を支配しています。ガンガン上昇する株価を見て、もっともっとその勢いのまま株価は上昇してしまうのではないか?と思えます。
そこで多くの投資家は、遅れを取り戻そうと普段より多めのポジションを建てたくなります。ポジション量を増やせば、少しの上昇率で大きなリターンを得られるからです。しかし、そこには株価が下がるという可能性への考慮は一切ありません。絶対に上がるに決まっているという態度なのです。ただ、実際、ほとんどの投資家はそのように動くのだと思います。
しかし、そのような、自分の衝動に沿った楽な投資行動、みんながみんな流れる道、それで儲けられるほどトレーディングが簡単だとは僕は思いません。
今は下図の青線のような状況だと思います。
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ここから大きなポジションを乗せても、上下に振らされてストレスを抱えるだけの可能性が一番高い。であるならば、僕ならば、相場に乗り遅れたならば、個別株に関しては、欲しいポジション量の半分以下に抑え、残りは全てVTIやVOOなどの指数にします。もっと個別株を買いたいのに、ちくしょう、ちくしょうと思うくらいのポジション量に個別株は留めます。銘柄数も絞ります。チャートが右肩下がりの銘柄は買いません。この時、自分は買いたいという衝動にかられているので、あらゆる買っていい理由を捻り出そうとします。自然に。それらは横にどけておく必要があります。でないと、結局衝動通りの大きなポジション量になってしまうからです。だから、買う量を決めた時に、ちきしょう、という我慢の念が出てこないといけないのです。
個別株に大きなポジションを乗せて、万が一、株価が下がったときに大ダメージを受けることを防ぎつつ、株価が上下に振らされても耐えられるポジション量に留めます。
夏が終わる頃になれば、来るべき大統領選挙開票が迫る9月、10月の調整に備えてキャッシュを作っておきます。調整局面が深くなればなるほど、投資家の雰囲気は買い場だった4月のようなものに近づいていくと思います。そこです。相場に乗り遅れた投資家は、そこで欲の皮を突っ張らせるべきだと考えます。今は殆どを指数でお茶を濁しつつ、なぜ自分は4月に満足に買えなかったのかを振り返ってみるべきです。頭で考えていた買いの理由は何であったか、それを踏みとどまらせていたのは何だったのか、結局、自分の買いの理由は正しかったのか、などです。
今、投資家は衝動のままに動く今までの投資スタイルか、失敗や過去から学び選ぶ行動を変えるのか、岐路に立っているのです。