【決算】イーライ・リリー(LLY)FY24Q2
【企業概要】
イーライ・リリーはアメリカを拠点とする大手製薬会社で、糖尿病、癌、神経科学領域の治療薬を開発・販売しています。糖尿病や肥満治療薬の需要増加によって業績を伸ばしています。時価総額8033億ドル、世界最大の製薬企業です。
【決算概要】
⭕️EPS $3.92 vs 予想 $2.60
⭕️売上高 $113億ドル vs 予想 $99.2億ドル
売上高成長率 +36%
• 米国:+42%(Mounjaro、Zepbound、Verzenioが牽引)
• 欧州:+20%(Mounjaro、Verzenio、Jardianceが貢献)
• 日本:+15%(MounjaroとVerzenioが牽引)
• 中国:+1%(OlumiantとTaltzが成長)
通年ガイダンス
⭕️EPS $16.1~$16.6 vs 予想 $13.76
⭕️売上高 $454億ドル~$466億ドル vs 予想 $430.1億ドル
〈所感〉
良い決算でした。GAFAMに匹敵する時価総額にも関わらず、売上高成長率は頭一つ二つ抜けています。売上高成長率は前々期(+20%)、前期(+26%)、今期(+36%)と大きく加速しています。肥満治療薬のビジネスは加速しています。基調も強いです。通年ガイダンスは前期発表した数値から+30億ドルと大幅に引き上げられました。
【決算コール】
〈ハイライト〉
● 収益は36%成長し、新製品が大きく貢献。
● Mounjaro(糖尿病治療薬)とZepbound(肥満治療薬)の需要が拡大。
● 非インクレチン製品も好調で、全体的に成長が加速。
● パイプラインで重要な進展(Kisunlaの承認、tirzepatideの申請など)。
● 肥満治療に注力し、多数の新薬を開発中。
● 製造能力拡大に大規模投資(インディアナ州に53億ドル追加投資)。
● 長期的成長に向けて、研究開発と製造能力の両面で積極的な投資を継続。
● 生産能力拡大:新施設の稼働準備と既存施設の生産拡大を進行中。
● 製品開発:tirzepatide(リリーが開発した食欲抑制・血糖値コントロールをもたらす薬剤)の新しい投与形態を国際市場で展開、米国でも準備中。
● 外部成長:Morphic社の買収を通じて炎症性腸疾患治療薬の開発を強化。
● 経営陣の変更:CFOの交代、新たな品質管理責任者の就任など、重要ポストの人事異動発表。
〈主な質疑応答〉
Q1「市場におけるtirzepatideの平均販売価格(ASP)の動向は?」
A1「2024 年は四半期ごとに価格が安定すると見ています。したがって、異常なことはなく、第 1 四半期から第 2 四半期、そして当社のガイダンスである第 3 四半期と第 4 四半期は引き続き価格設定が安定しています。」
Q2「販売可能容量の増加の要因は?」
A2「2024年後半の生産量は、2023年上半期比で最低1.5倍になる見込み。これはあくまで最低ラインであり、実際にはそれ以上の増加の可能性がある。供給チェーンのボトルネック(最終容器への充填)解消し、効果は2025年初めから現れる見込み。」
Q3「肥満市場の参入障壁は?リリーは長期的な優位性を保てるのか?」
A3「製品化には第3相臨床試験を突破する必要があり、これは困難である。リリーの製品は市場に既に広く浸透している。」
〈決算コール全文〉
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