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【米国株】5月FOMC結果
FOMCは4月30日-5月1日に開催した定例会合で、主要政策金利を据え置くことを決定。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%。これで金利据え置きは6会合連続となりました。決定は全会一致でした。
FOMCはまた、当局の資産ポートフォリオの縮小ペースを減速させる計画の概要を提示。米国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)のペースは現在、月間最大600億ドル相当ですが、この上限を6月から250億ドルに減らします。前回、一連のバランスシート縮小を開始した2019年は金融市場が混乱しました。こうしたリスクを低減させることが狙いです。これは2021年に相場をギクシャクさせたテーパリング(ポートフォリオ拡大ペースを圧縮してゼロにもっていく)と逆の政策であり、株式にプラス材料です。
住宅ローン担保証券(MBS)のランオフペースについては、現行の月間最大350億ドル相当を維持。ただ当局は6月から、償還元本のうち上限を超えた分について、MBSではなく米国債に再投資します。
パウエル議長の記者会見では、利下げが想定よりも後ズレすることが示唆されました。インフレ鎮静化の進展がここ数ヶ月見られず、物価目標の2%が見通せない状況になっているためです。これは市場参加者が十分予期していたことであり、波乱要素ではありません。
そして、インフレ鎮静化が鈍っている原因は経済が好調であり、雇用が強いためです。パウエル議長も米国経済は好調であることを認めています。決して景気が悪いスタグフレーションではないのです。
また、利上げに関して、次の政策決定が利上げになる可能性は低いと述べました。つまりメインシナリオは、FRBは何も動かないということです。
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市場参加者は11月から年内1回の利下げを織り込む。24年年初は7回の利下げを織り込んでいましたが、かなり市場参加者の利下げ期待は剥がれました。これは利下げがこないことによる失望売りが起こりにくくなったことを示唆しており、良いことだと思います。
FOMC前と後で期待値は変化せず。つまり今回も無風でFOMCを通過したということです。
パウエル議長はインフレ鎮静化の見通しは不透明としながらも、年内にインフレ率は下がってくると述べました。投資家はFRBではなくインフレデータに今後も注目していくべきと考えます。
まとめると、今回のFOMCは無風であり何もFF金利は変化しなかった。バランスシート圧縮のペースが6月から減額されることは株式にプラス。インフレデータ次第で利下げの時期は決まる。想定よりもっと後ズレしそう。これは経済が好調であるためである。利上げの可能性は小さく、投資家は利下げも利上げも行われないことを覚悟すべき。市場参加者はそれをかなり織り込みつつある。
これを受けて、投資家はどういう投資スタンスをもつべきか。インフレデータをチェックしつつ、もしインフレがスパイクするならFRBの次の行動は利上げであり、株式は売り。しかし、そうなる可能性は低い。メインシナリオは、インフレが目標の2%より少し上の状態が続き、利下げも利上げも行われない。つまり金利は動かない。企業業績はAIブームで好調なので株式は高い。
インフレデータがスパイクしていないかを横目でチラッと見つつ、米国企業の業績成長のメインドライブとなっているAIの動向に焦点を当てながら、決算の良い銘柄を買っていくこと、この方針に変化はないということです。