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【相場観】現在の相場見通し(24/11/24)

【大局判断】
●株・景気・金利・為替サイクル
株価サイクル 上昇相場(2年1ヶ月経過:安値22/10)
景気サイクル 好景気(4年7ヶ月経過:不況終了20/4)
金利サイクル 利下げ(9/18開始/FF4.50%~4.75%)
為替サイクル 円安ドル高

●景気サイクル 拡大期
米国GDP +2.8%
新規失業保険申請件数 213k
米国雇用統計 非農業部門雇用者数12k失業率4.1% 前月比平均時給+13¢(+0.4%)
米国ISM製造業指数 46.5
米国ISM非製造業指数 56.0
米国小売売上高 +0.4%
米国個人消費支出(PCE/CorePCE)2.1%/2.7%
米国消費者物価指数(CPI/Core CPI) 2.6%/3.3%
米国消費者信頼感指数 98.7
ミシガン大学消費者信頼感指数 71.8
米国住宅着工件数/建築許可件数 1311k/1416k

総評:CPIは2%台半ばで推移、2%まであとひと押しが足りない。失業率は4.1%と更に改善。雇用者数はハリケーンの影響などもあって急減。これはトレンドを測る参考にならない。新規失業保険申請数は200k台で安定。全体的に底堅い景気を示唆している。

●企業業績(データ元はFactset)
今後、アナリストは、2024年第4四半期、2025年第1四半期、2025年第2四半期の(前年比)収益成長率がそれぞれ 14.2%、13.9%、13.1%になると予想している。2024年通期では、アナリストは(前年比)収益成長率9.3%を予測している。2025年通期 では、アナリストは(前年比)収益成長率15.1%を予測している。

●株価サイクル 業績相場
S&P500 上昇局面
NASDAQ 上昇局面
S&P500はPER22.0倍(5年平均19.6、10年18.1)
平均より高い水準。利下げフェーズであること、これから高いEPS成長が予想されていることから割高過ぎるとは言い切れない。しかし高い水準である。

<メインシナリオ>
ソフトランディング

⚫︎金利サイクル的に次に来るのは景気の腰折れ。クレジットカードの焦付きの上昇トレンドが止まらないこと、低所得者層をメインターゲットとする小売店の株価(ダラーゼネラル、ダラーツリー)が暴落していることは憂慮すべき事態だが、それ以外の経済指標や企業決算はしっかりしている。教科書的な金利サイクル・景気サイクルに逆らって、不況を迎えることなく景気拡大が続く可能性がある。

⚫︎11月FOMCでは-0.25%の利下げが行われた。景気は堅調であり、失業率も低い。FRBはインフレ率と景気を見ながらじっくりと利下げ停止地点(引き締め的でもなく緩和的でもない地点)を探っていく段階である。利下げペースは鈍化する公算が高い。

⚫︎大統領選ではトランプ氏が当選した。大統領・上院・下院、全てで共和党が支配権を得る「トリプル・レッド」が確定した。トランプ氏の公約である減税策、関税政策、不法移民の規制などが実行される可能性が高い。減税策は景気を刺激する一方、インフレを助長するかもしれない。また米国の財政を圧迫し、米国の債務に対する投資家の懸念が増すかもしれない。金利動向に注意を払う必要がある。

⚫︎AIブームを牽引しているのはGAFAMの設備投資。GAFAMがAIによって業績を伸ばし、株価が堅調であるならば投資家は高水準の設備投資を許容し続けるはず。GAFAMのAIビジネス(AI課金・クラウド部門)が堅調であるか、株価が堅調であるかがブーム継続の大きなカギである。直近GAFAMの株価がグズグズしていること、巨額の設備投資への懸念が広がっていることは注意を要する。直近の決算では巨額のAI投資の割には売上が伸び悩んでいる様子が見てとれた。AI半導体のエヌビディアは売上高成長率が鈍化し始めている。AIブームには赤信号ではないが黄色信号が灯っていることは確か。

⚫︎インフレは2.6%まで低下した。粘着質だったサービスインフレも低下した。一方で直近の雇用統計では賃金インフレは未だに収まっていない。今後の利下げペースに影響を与えるかもしれない。

⚫︎上昇相場は3-15年続く(平均8.9年、平均+468%上昇)が今は2年1ヶ月。まだ続いてもおかしくない。

⚫︎不況は大抵10年に1回やってくるが、今は4年7ヶ月。好景気はまだ続いてもおかしくない。

⚫︎2020年3月、2022年10月と立て続けに株は暴落していること、経験則的には-20%を超える大幅調整は10年に1回程度しかこないことを考慮すれば、今すぐ暴落がやってくるオッズは比較的低い。

<点検ポイント>
FRBの動向、長期金利、トランプ政権の動向、AIによる生産性向上(AI導入による余剰人員のリストラ・AIによる企業業績UP等)、GAFAMの株価・設備投資、消費関連株の業績、個人消費、CPI推移、雇用統計、原油価格

<結論>
強気

【一年の見通し】
大統領選サイクル 4年目(2番目/4に強い年)
1月相場成績 プラス
金利動向 9月FOMCより利下げフェーズ開始
業績動向 拡大へ
注目イベント  12月FOMC(12/18)
<見通し>
景気は底堅く、金利は利下げフェーズ、業績は強い。ゆえに一年を通じて相場は高いと予想。

【11月の見通し】
アノマリー 強い
注目イベント 決算シーズン 
投資スタンス 強気
【来週(11/25-11/29)の見通し】
注目イベント 決算シーズン 休場:感謝祭(11/28) 半休場〔日本時間30日3:00までで閉場〕:感謝祭翌日(11/29)
意見 強気

【現在の投資態度】強気
米国株はいったんの小休止を経て再び上昇へ転じている。11月、12月、1月は一年を通じて最も株式が強い時期であり、この時期はロングポジションを維持したい。

米景気に関しては、経済指標は好調であるが、小売系の決算には陰りが見られる。小売大手のTGTは悪い決算を出し株価は急落した。ダラーツリーなどの株価も低迷したままである。トランプ氏が当選した背景には、物価高に対する中間層以下の不満が見てとれる。株高による資産効果で富裕層の消費が堅調であるが、その他大勢の人々の生活は不景気感を感じていると推察される。もはや好景気の前半戦とは言い難い。

年前半の株式市場を牽引してきたGAFAMやNVDA、AVGO、TSMといったAIブームを代表する銘柄は株価が伸び悩んでいる。リーダー銘柄であるNVDAは最新の決算で売上高成長率の鈍化が確認された。来期は更に鈍化する見通しである。GAFAMの決算では、今後AIへの設備投資の伸び率は鈍化することが確認できた。AIブーム初期のような劇的な伸びはなかなか期待できない。

一方で、TSLAやPLTRといった銘柄がPER拡大によって年初の高値を更新している。DUOLやIOT、GLTBなどの小型ハイテク株も高値を舞っている。比較的チャラチャラした銘柄たちが高い長期金利下にも関わらずPER拡大で上昇し、相場を牽引している。売上の伴っていない泡沫株(SMR、RKLB、MSTRなど)まで上昇し始める様は2020年年末のコロナバブルを彷彿とさせる。

これまでの相場上昇を支えてきたコアな理由(強い個人消費、AIブーム)にきな臭さが感じられるなか、トランプ氏当選以降バブルチックな値動きを見せる株式市場。アノマリー的に強い時期であるため強気姿勢は維持するが、警戒感をもって状況をチェックしなければならないと感じている。

<現在のPF>株100% 現金0%
[コア]91.6%
VTI 91.6%

[サテライト]8.4%
MNDY 2.5%
DUOL 2.5%
KVYO 1.2%
LULU 1.2%
BMBL 1.0%

〈ウォッチリスト〉
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