【米国株】11月FOMC結果
2024/11/08未明にFOMCが開催されました。政策金利は0.25%利下げされ、フェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジは4.50%~4.75%になりました。これはFRB委員、全会一致の結果でした。
【声明文要旨】
最近の指標は、経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している。今年初め以来、労働市場の状況は概して緩和しており、失業率は上昇したが、依然として低い。インフレ率は委員会の2%のインフレ目標に向けて進展したが、依然やや高止まりしている。
委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクがほぼ均衡していると判断する。経済の見通しは不確実で、委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視している。
【パウエル議長の記者会見】
パウエル議長は米国経済の現状について、雇用は堅調であり、インフレは大幅に緩和したと述べました。
経済が好調を維持し、インフレが2%に向け上昇しなければ、政策の緩和はより緩やかとなる可能性があるとし、利下げスピードが今後緩やかになる可能性を示唆しました。つまり、0.50%利下げという大幅利下げはよほどのことがない限り行わないということです。
適切なペースを見出すことが重要、進みながら模索していくと述べ、利下げを急ぐことなく、ゆっくりと利下げ停止地点を探っていくことを示唆しました。
債券利回りの変動はインフレ期待上昇を反映したものではなく、債券利回りは成長期待を反映していると述べました。
米国の財政路線については持続不可能と述べました。どこかの地点で財政を絞り込む必要性があるという認識を示しました。
〈所感〉
順調にソフトランディングへ向かっているという印象を受けました。経済は堅調で、失業率も低く、インフレも下降傾向であるため、FRBは余裕をもって利下げを終える地点を探っていくことが可能となっています。
一方で、トランプ氏が公約として掲げていた減税策、不法移民制限、関税策は景気やインフレに影響を与える可能性が十分あり、その影響によってはFRBの利下げペースに変化が現れるかもしれません。
景気指標や米国企業の決算から米国経済の堅調さは維持されていることが分かっています。なので、FRBは依然としてソフトランディング路線を進んでいるという認識を変える必要はないと思います。しかし、これからはトランプ新政権の政策にも気を配る必要があるでしょう。