【米国株】DUOL株は「売り」か?
2024/1/19、Duolingo(ティッカーシンボル=DUOL)はー7%近い下げで始まりました。ゴールドマン・サックスのアナリストがDUOL株を「中立」から「売り」にダウングレードし、目標株価を160ドルに引き下げたニュースがキッカケでした。
ではGSの言う通りDUOL株は「売り」なのでしょうか?
僕個人としては売りとは考えません。
19日は他の小型グロース株が上昇する中、DUOLだけ大きく下げていました。つまりDUOLだけの問題というわけです。DUOLのビジネスに変調が出ているというニュースはありませんでした。出たのはGSによるダウングレード報道だけです。
では、GSはなぜDUOLをダウングレードしたのかというと、https://m.investing.com/news/stock-market-news/goldman-sachs-cuts-duolingo-as-it-faces-competitive-pressure-fiverr-raised-to-buy-432SI-3278513?ampMode=1
によれば、2023年10月発表されたアルファベット(ティッカーシンボル=GOOG)による英会話学習サービスが登場することによって、競争激化が起こり、DUOLのマーケティング・販売に圧力がかかることが「売り」に格下げした理由だそうです。
これは二番煎じというか、またか?という印象です。なぜなら、2023年10月にアルファベットが英会話学習サービスを発表した報道でDUOL株は一時急落したからです。同じニュースの焼き直しです。しかし、DUOL株はその時よりも株価は高い位置にいます。結局、その報道で下がっても株価は戻ってきたわけです。
DUOLの言語学習アプリは、「モチベーション維持のためには楽しく勉強できなければならない」との信念から徹底してゲーミフィケーションの考えが落とし込まれています。実際にアプリを使ってみますと、本当にゲームをプレイする感覚で学習を進めることができます。これは他の言語学習アプリにはない特徴です。無機質なアルファベットの言語学習サービスが登場したとしても、ユーザー獲得競争で負けるイメージは僕にはありません。むしろユーザーはどちらも使うのではないでしょうか?アルファベットの学習サービスではDUOLと違って文法や英単語は学べません。仮にDUOLの業績に悪影響を及ぼしうるとしても、決算の数字が良い内は売る理由にはならないと考えます。
サイバーセキュリティー銘柄のCRWDも、本当はライバル(S、PANW、FTNTなど)がいなければ獲得できた顧客がいるでしょう。そういう意味ではCRWDの業績に悪影響を及ぼしているとも言えますが、CRWDの決算が良い内は売らないのと同じです。
テクニカル的に反転のサインである「逆ハンマー」が出来ています。僕自身は一つの形だけ、テクニカルだけをアテにはしません。しかし、19日は「アルファベットの英語学習サービス」という材料で株価は下げたわけで、2023年10月に同じ材料で下げた時、株価は戻ってきたことを考えると、そろそろコツンと来るのかもしれません。小型グロース株は金利環境に大きく左右されますので、本当にコツンと来るかはわかりませんが。
より画像引用
決算が良くても成長鈍化で売られる、そしてその次の決算では遂に悪い決算で売りになる、そんな事態になるのではないか?との懸念もあります。
同じ事態となったZMやDOCUの場合、ワクチン普及による経済再開の悪影響が強く出たと思います。対面は重要ですし、ハンコ・サイン文化は根強かったということです。また、コロナ禍であってもZMやDOCUを採用しなかった企業は中々採用しないのではないかと思います。そこらへんが成長がほとんど終わった理由なのかなと。
サイバーセキュリティー銘柄の売上高減速は他のリモートワーク関連株ほど顕著ではありません。コロナが無くなろうがサイバー犯罪への備えは必要で、それが勢いを保っている理由だと思います。
DUOLに話を戻しますと、月間アクティブユーザー数は8000万人でかなりの規模ですが、世界の英語話者の内、非ネイティブが11億人います。DUOLでは英語以外に41言語を学べること、英語話者へ数学・音楽の学習コースを新設したことを考えれば、向こう1年でユーザー数が頭打ちになるとは個人的には思えません。ZMやDOCUのように急激な成長の消失で悪い決算しか出せなくなった企業とは異なり、DUOLは「コロナワクチン」のような成長鈍化材料や「コロナ特需による需要の先食い」という前年比で成長が出しにくくなる材料も見当たりません。
ちなみに日本語はDUOL内で世界5位の人気言語(米国では人気4位)であり、1700万人のユーザーが日本語を勉強中とのことです。マンガやアニメ人気が背景にあるそうです。日本語を勉強する理由は「楽しむため」が一番多く、これはゲームをプレイするように学習できるDUOLと相性の良い理由だと思います。
ここまでの話を踏まえた上でも、最終的には決算次第です。直近の決算は好調で、ガイダンスによれば来期も売上高+40%以上を維持する見込みです。決算が好調なハイパーグロース株の中で、ガイダンスで売上高+40%以上を示している企業はDUOLとNVDAくらいです。
決算が好調で、高い成長率も維持している企業の株を売る理由が今の所僕の中にはありません。もちろん、次回決算が悪ければ即売ります。19日、DUOLのポジションをPF内3.2%→3.5%に増やしました。決算を待ちます。
※この記事は特定の銘柄の売買を推奨しているものではありません。あくまで僕の考え方を述べているに過ぎません。
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