結論「S○-net、NUR○はやめとけ」という話。
■はじめに
「ゴールデンボル男(@Goldenballmen)」様が、NURO光のサービスに対して集団訴訟を検討中であるというお話をtwitterで拝見しました。
https://twitter.com/Goldenballmen/status/1572559072356102144
今回それに関連して、こと金銭の絡む買い物・契約に関して、私が人生で一番腹が立った経験の話をします。
とはいえ、「NURO光」ではなく「So-net光」の契約の話なのですが、運営会社は同じSONYなので、恐らくサービスに取り組む姿勢は同じであると思われます。
私が経験した中で「So-net光」はホントに、サービスから勧誘、サポートまで全ての面においてダントツで最低最悪のプロバイダーでした。
■全く実用に耐えない、劣悪すぎるサービス
2年前、ちょうど引っ越しの時期に重なり、それまで愛用していた「SANNET」というプロバイダーがサービス終了しました。(こちらはほんとにいいサービスでした…提供元会社には今でも感謝しかありません)
そこで、新居でのプロバイダーをどうするか?ということについて不動産業者に相談したところ、代理店を紹介され、
その代理店から、「auのスマホを使っているのであれば、それとセットで割引されるSo-net光はどうか?」と持ち掛けられました。
今まで、普通であれば、プロバイダーの乗り換えといった一大イベントについては、乗り換え先についてどのようなサービスがあるか、回線速度や口コミはどうか、といった点についてあらかじめ十分調べて、納得できると判断してから移行するのですが、この時は折しも、SANNETのサービス終了が突然であったため、急遽インターネット環境を用意する必要があり焦っていました。
私の仕事は自宅の回線を通じてのリモートワークなので、自宅の回線が利用できない期間が長くなるのは非常に困ります。
一応、会社には事情を説明して待ってもらっていたのですが、それでもそこまで長引かせるわけにはいきません。
代理店からは、So-net光と契約するのであれば中継ぎの業者に依頼し、インターネット環境が途切れることがないよう手配すると言われたので、そこまでしてくれるのであれば…と心が傾きかけていました。
それでもやはり、「So-net」と言えば、今まで自分で利用することこそありませんでしたが、回線の不安定さやサポートの対応が悪いということが、それこそインターネット黎明期からしばしばネット上の噂に上がってくるのは聞いたことがありましたので、そう言った点が不安なのだが大丈夫か、と一応は聞いてみました。
それに対して返ってきたのは、おおむね以下のような返事でした。
「いやいや、回線の速度、安定度なんてどこも同じようなものですよ。そもそもネット上の悪い噂なんていうものは、それぞれが自分一人のちょっとした体験だけで言ってるんですから、そんなのとても信用できるようなもんじゃない。 どこも同じようなもんだったら、割引があるところのほうがお得でしょ?」
それを聞き、「まぁ、どこも同じようなもんだったら… それにインターネット環境もすぐに揃えないといけないし、これを逃したらいつ繋げるようになるかわからない。それに、この業者を紹介してくれた不動産屋の担当者にもかなりお世話になったことだしな…」などと思い契約を承諾しました。
しかし、それが運の尽きでした。
いざ開通し、接続して使ってみたところ、回線の遅さ、不安定さはハッキリ言って、全く実用に耐えるレベルではありませんでした。
ちょっと大きめの画像だと、1枚につき表示するのに1分くらいかかります。あの、上から順番にちょっとずつちょっとずつ表示されていくやつです。
ダイヤルアップ接続でモデムがピーヒョロ言ってたり、テレホタイムに接続するために夕方に睡眠取ってたりしたあの時代を思い起こさせます。
この令和の時代に、まさかこんな状況に追い込まれることがあるなんて思っても見ませんでした。
また、「20分に1回くらいの頻度で接続が切れ、復帰には数分かかる」という現象にも悩まされます。
最初は、平日の夜間、土日は一日中そのような感じでした。そのうち、平日昼間でも容赦なくそうなり始めました。
もうどうしようもありません。 「まともにインターネットを使用できている」とはお世辞にも言えない状況でした。
サポートに連絡しても、返ってくるのは「多分テンプレなんだろうな…」と思わせる、「IPv6は使ってるか?」、「ONUの電源オンオフは試したか?」、「ルーターが悪いかもしれないからルーター外して直繋ぎで確認してみて」といった通り一遍の対応策のみ。
案の定というべきか、試したところで全く効果はありませんでした。
二言目には「障害発生は確認できていない」、「状況によって理論上の最高速度(上り/下り100Mbps)は出ない場合がある」などといった逃げ口上ばかりで全く解決になりません。
「最高速度が出ない場合があることくらい理解しとるわ! 1Mbpsすら出てなさそうで普通のネット使用が全くできないから言っとるんじゃボケ!」…って感じでした。
ネットサーフィンやネトゲができない程度ならまだいいのですが、先ほども書いた通り私の仕事は自宅の回線を通じてのリモートワークなので、これでは日々の業務にすら支障をきたします。死活問題です。
ことここに至っては仕方なく、乗り換えたばかりではありますが、別のプロバイダーへの移行を決意せざるを得ませんでした。
※なお、頓珍漢なサポートが言っていたようにルーター、接続方式、建物の回線等が悪いなどということは全くなく、その後別のプロバイダに変更してからは何の問題もなく、機器を変更する、設定やオプション・接続方式等を見直す等といった対処も特に必要なく、常識的な速度で快適に通信できていました。
しかし、解約する前に、どうしても納得がいかなかったため片づけておきたい問題がありました。
「割引キャンペーン不適用」と「契約後3年以内に解約する場合の違約金の発生」です。
■割引キャンペーンが条件不適格により適用されない…だと…?
まず割引キャンペーンの件についてですが、契約時に担当者が自信満々で「So-net光お勧めの理由」として持ち出してきていた「auスマホとのセット割引」がまさかの不適用だったのです。初月から普通に割引なしの通常料金での請求となっていました。
後で判明したこと(後述)なのですが、このセット割引適用の条件として、「auスマホの契約において登録している住所と、So-net光の設置場所の住所が一致している」必要があり、それを満たしていないことが理由であるとのことでした。
先にも書きましたが、この割引キャンペーンがあることをもって契約を持ち掛けてきたのは「引っ越しの時」です。
代理店は不動産業者からの紹介ですので、引っ越しに際しての新居での回線契約であることは百も承知のはずです。
にもかかわらず、契約するという最終確認に至るまで、割引が適用されるには「auスマホを使用している」こと以外にも上記の条件があることと、その条件の内容については一言も説明がありませんでした。
また、サイトにはこのキャンペーンの広告、説明のページがありましたが、ここにもこの条件の内容については記載されていませんでした。
「今までずっと使ってきたスマホの登録住所」と「引っ越したばかりでこれから住み始める住所」が違うことで不都合が起きるのであれば、その可能性は当然考慮されてしかるべきですし、客の利益を考えるのであれば、契約前に何をおいても真っ先に警告、忠告すべきことではないでしょうか?
キャンペーン広告の説明にも書いていない(※)、契約時にも一言も言わないのでは、客側としては全く知りようがありません。
※よく誇大広告の風刺としてネタにされるような「広告の隅に注意書きを目立たないように小さく書いている」などといったレベルすら超越しています。なにせハナから「書いてすらいない」のですから。
惜しむらくは、すでに終了したキャンペーンなので、現在は書いてなかったことの証拠が示せないのですが…
(確認したところ、現在ある類似のセット割キャンペーンでは、サイト上の広告ページに条件はちゃんと書いてあったので、とりあえず今は改善しているようです)
繰り返しますが、「引っ越しの時に」、「この割引キャンペーンがあることを理由に」、So-netを勧めてきているのです。
適用条件として「auのスマホを使っていれば適用される」とだけ言い、「住所が違っているとダメ」ということは言わない。
「条件が一つだけとは言っていない。そっちが勝手に勘違いしただけ」とでも言いたいのでしょうか。
ほんとに詐欺スレスレだと思います。
そしてその後の対応がまた酷い。
まず、「割引キャンペーンは条件を満たさないので審査で落とした」ということについて、メール等での能動的な通知は一切ありません。
マイページの片隅の「利用状況」だか何だかの項目のそのまた片隅にしれっと表示しているだけです。
契約前には「auのスマホを使っていれば割引がある」とだけ言われていて、「それ以外の条件による審査がある」などということは一言も知らされていないのですから、当然適用されてるものと思い込んでおり、こんな状況では気づけるはずもありません。
結局2回目くらいの請求の際にやっと、「あれ?請求額多くね…?」となって気づきました。
なお、もしかすると「割引キャンペーンが適用されなかった程度で何をそんなに大げさな…」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、ことインターネット接続サービス業界においては、加入時にどのような割引キャンペーンがなされるかは非常に重要です。
「どのプロバイダーを選ぶのか?」を決めるにあたって、回線速度の次、2番目くらいに考慮される要素です。
だからこそ、どこのプロバイダーもサイトトップやインターネット広告等にキャンペーンをデカデカと掲げて宣伝し、割引内容で各社しのぎを削っているわけですから。
「So-net光」も例にもれずそういった宣伝には余念がなかったわけですが、そのやり口がまた酷いものでした。
当時「So-net光」は、【加入から2年間は月額2,080円!】という文言の広告をそれはもうしつこく出していました。
当時であればインターネットじゅうのそこかしこで見ることができたと思います。
しかし、この「2,080円」というのは「割引キャンペーン適用時の値段」です。
割引額は1,200円なので、適用されなければ3,280円です。1.6倍弱です。
にもかかわらず、「これが割引適用時の値段である」、「割引キャンペーンには適用条件がある」といった事実については一言も書き添えられていません。まるで、加入後2年間は必ず、例外なくこの料金であると錯覚させるような書き方です。
…これって優良誤認に当たらないんですかね?
閑話休題、ともかく契約から3か月目くらいで「割引が適用されていないのではないか?」と気付いたため、その旨をメールで問い合わせました。
しかしこの件に対して返ってきたのは以下の内容のみです。(メールそのままの引用は不可のため返信内容については大意です)
「(So-net光の)設置先住所と(auスマホの)契約住所が異なっていたためauセット割が適用できなかった。何卒ご了承いただきたい」
前にも書いた通り、「双方の住所が同一である必要がある」という条件についてはサイトにも書いていないし、契約時にも知らされていません。
代理店、SONY双方を含めて、公にこの条件を通知されたのはこれが最初です。
なので、「契約前にその条件の説明は受けていない」旨を改めて伝えました。それに対する返答は以下のような趣旨でした。
「事前説明に不備があったのであれば代理店に問い合わせていただきたい。弊社では条件にはすべて同意の上で契約いただいたものとして承っている。料金等も契約内容に基づいて請求しているため返金等は承れない」
あまりにも高圧的で保身しか頭にない物言いに啞然としました。
代理店のミスで伝え忘れていたのかもしれませんが、それにしても自社の提供サービスの契約に関して不備があったのであれば、せめて謝罪の文面なり、いくばくかの補填をよこすなりするのが筋ではないでしょうか?
仮にも自社サービス契約者の困りごとの訴えに対して歩み寄るどころか、「代理店のミスであり我々は一切知るところではない。ミスによる過払い金だろうが返す気はない」などという言葉を臆面もなく堂々と言い放ち、ハナから攻撃的・威圧的な態度で食ってかかるとは…
どれだけ殿様商売で天狗になっているのでしょうか。
ともあれ、以上のようなわけで、何が何でも「事前説明の不備は全て代理店の責任である」ということで押し通したいらしいです。
ですが、SONYが代理店と契約して勧誘をさせているのであれば、代理店のミスには監督責任が発生するものではないでしょうか?
やらせといて自分は責任取らない、なんて言うのは虫が良すぎるのでは?
そこで、改めて以下のような質問をしました。
・御社が代理店と契約してSo-netの勧誘をさせているのか。それとも、御社とは無関係に代理店が勝手にやっているだけなのか。
前者であれば御社の責任、後者であれば代理店の責任であると思う。事実関係をはっきり回答していただきたい。
・auスマホのほうの登録住所はすでに変更した。今から改めて割引を申し込むことは可能か。
…ですが、以上の点の問い合わせへの返信はなく、その後も何度か回答の催促をしましたが全く反応なしでした。
「今調べている」等の連絡すらなく返信メール自体一切なし。完全に無視です。
なお、後になってメール問い合わせ以外にもいろいろ聞いて回ったところ、やはり途中からでも割引を申し込むことは可能なはずであったとのこと。
せめてその点についてだけでも答えたらどうなのでしょう? 嫌がらせか報復としか思えません。
SONYからは結局その後一通のメール、一本の電話ももらうことはなく、やり取りの中でついぞ、「契約に際して迷惑をかけて申し訳なかった」等といった一言すら、謝罪の言葉を聞くことはありませんでした。
自分もメール問い合わせ対応の仕事をしていて、過去複数の会社で働いてきましたが、はっきり言ってあり得ない、程度が低すぎる対応です。
ことメールサポートにおいては、たとえ答えるのがとても難しい質問や、道理の通らない主張であったとしても、どんな内容であれ必ず返事はします。
まかり間違って返信し忘れがあった場合、それはもう厳重に注意されます。それが普通です。
自分としても、問い合わせメール一つ一つに真摯に向き合い、質問者の立場に立って「この方にはどのような案内が必要か?」という点を自分の頭で考え、模索するよう常に心掛けてきました。
メールサポート窓口を設けておきながら、「都合の悪いメールに対しては無視を決め込む」、「当然行われてしかるべき案内でもムカつく相手にはしてやらない」などというのは、一企業としてあまりに良識に欠けた不誠実極まりない対応であると言わざるを得ません。
その後、消費者団体や代理店へも同じような問い合わせなどを行っていましたが、契約から3か月以上も経っているので、契約までの経緯が不適切であったということを今から訴えて契約解消や違約金免除などに持ち込むのは難しいとのことでした。
まぁ、クーリングオフも契約から8日が期限ですからね。 キャンペーン対象外の相手に審査完了時のメール通知をせず、あわよくば気づくのを遅らせるという作戦は非常に有効であるということです。あまりにも汚いやり口ではありますが。
ただ、契約時の電話やり取りの録音があったらしく、割引条件、期間縛り契約に関する事前説明が行われていなかったことは事実と認められたため、最終的には通常の手順で解約した後、違約金と割引分については代理店側で補償してくれるということになり、とりあえずは一件落着となりました。
しかしながら、「So-netとの契約を受けて勧誘していたのか否か?」という点については、代理店側からもやはり一切回答はありませんでした。
相当知られるとマズイことのようですね…
■期間縛り契約について
また、割引が未適用であった件に関連して、解約時の違約金の発生についても納得がいかず、こちらも非常に腹立たしい点でした。
今回お話している契約は、「契約締結から3年以内に解約する場合2万円の違約金が発生する」という、いわゆる期間縛り契約になっていたのですが、これについても契約前には一切知らされていませんでした。
そのため、この件についても、割引条件の件と併せて同じメール内に記載し問い合わせていたのですが、返信の中にこちらに対しては以下のような主旨の回答がありました。
「3年以内に解約した場合は違約金2万円が発生する。この旨は、申し込み時の代理店、及び入会後に弊社からお送りした『契約内容のご案内』の書面により案内している」
…何度も言うように契約時に代理店からは聞いていませんし、契約後に送付される書面に書いてあったところで後出しにすぎず、意味はありません。詐欺と同じです。
「ハイ、じゃあ契約成立ね。 あ、3年以内に解約したら2万円罰金払ってもらうから! ヨロシク!」
この言い草で納得する人間が世界のどこにいるというのでしょうか?
ここまでだけでも十分腹立たしいのですが、そもそもがこういった期間縛り契約というのは、「割引するので、ある程度はサービス利用を継続してもらわないとサービス提供側に損害が発生する。そのため、一定の期間内に解約する場合はその損害の補填をする必要がある」という性質のものです。
つまり、本件で言い渡されたような、「割引は条件を満たさなかったので適用しない。でも期間内に解約するのであれば違約金は払ってもらう。そういう契約なので」などという言い分自体、全く筋が通らないものであるわけです。
※そもそも「違約金」などというのであれば、「業界トップレベルの爆速通信!」みたいな広告打っといて「スマホの4Gのほうがだいぶマシ」レベルの通信の遅さとブチブチ切れるクソゴミ回線を当てがうのは「違約」じゃねぇのかよと小一時間…
また、後で調べましたが、この縛りの3年という期間も、2万円という違約金の額も、トップクラスに長期間・高額のようですね。
当時他の会社が行っていたこうした期間縛り契約において、だいたいは期間は2年縛り、違約金額も1万円前後というものが多かったようです。
・参考:携帯の2年縛り問題に関する訴訟の例
https://www.daylight-law.jp/1407/1407005/
上記はインターネット接続ではなく携帯サービスの期間縛り契約に関する訴訟なのですが、両者は同様の性質のものなので、ここで言われている理念はインターネット接続サービスにおける期間縛り契約にも当てはまると思います。
これによると、このような期間縛り契約と違約金の妥当性については、「事前に十分な説明があったか」、「違約金の額は事業者の損害の補填として妥当な金額か」という観点で検討されるようです。
今回の事例に関して言えば、「事前に十分な説明があったか」という点については言わずもがな。
上にも書いた通り、割引に関して事前に受けた説明は「au携帯を契約していれば割引がされる」という一点のみです。
「割引する代わりに期間縛り契約となり、期間内に解約したら違約金が発生する」ということについても、割引の適用条件と同じく、全く説明はありませんでした。
後者の金額に関する点についても全く妥当ではないと言えます。そもそも、期間縛り契約の存在理由である割引が行われていません。ここで言う「事業者の損害」など発生していないのです。
「損害の補填のためのもの」という性質である違約金を何故取る必要があるのでしょう?
ここでも、「セット割引と期間縛り契約は関連するものである」という情報を客に対してはひた隠しにし、「割引は契約後に条件を満たさないと判明したのだから適用されなくても仕方ない」、「違約金は最初の契約で決まっていたことなのだから仕方ない」と誤解させてゴリ押しする、という悪どいやり口を発揮しています。
また、もし割引がされていたとしても2万円という違約金は高額すぎるのではないでしょうか。
この件よりも1年ほど後になってですが、総務省は、こういったインターネット接続サービスの期間縛り契約の違約金としては「1か月分のサービス利用料に相当する金額程度が妥当である」といった見解を示しているようです。(以下参考記事のリンク)
https://www.j-cast.com/trend/2021/07/13416097.html
ただ、そういった見解などを受けてか、SONYも今ではこういった高額な違約金を取るということはしていないようです。
NURO光も、違約金は3,000円~4,000円程度で月額利用料以下のようですね。
しかし、上記のような社会的ムーブメントが起きる以前には(つまり、外圧がかからない限りは)こういう悪どいやり方で、不必要に高額な違約金をふんだくっていた事実は消えません。
消費者契約法の第一条には、同法律について「消費者と事業者との間で情報の質や量、交渉力に格差がある点を事業者側が利用し、誤認や困惑などにより消費者の利益を不当に害する契約事項が履行されるのを防ぐことを目的とする(大意)」といった旨が記載されています。
SONYはまさにここで危惧されているような、「公平性の維持において重要な情報を意図的に与えず、消費者に不利な契約の締結に誘導する。あるいは、不利な契約の解消を妨害する」といった、消費者利益保護の理念に真っ向から反するやり口を平然と行う会社であるということは広く知られてもらいたいと思っています。
■結論、やっぱS○NYのネット接続サービスはやめとけ
先述のように、一応全体としては損害を補填してもらえる結果になったとはいえ、結局SONY側がしたことと言えば、ものの数分程度で済むようなテンプレ返信のメールを2、3回送っただけ。
苦情への対応や損害への補償はトカゲの尻尾切りのごとく全部代理店にひっかぶらせ、数か月分の利用料+本来割引かれていたはずの金額、違約金、乗り換え用番号の発行手数料はガメツく自分の懐に入れて1円たりとも損は取らない。
インターネット接続サービスとしては「広告で言っているほどの速度は出ない」どころの騒ぎではなく、通常程度の実用にすら全く耐えないほどのお粗末さで、商品の品質という面でも落第点ですし、契約やサポート関連の杜撰さについても、企業が顧客に向き合う姿勢としてあまりにも横暴、傲慢であり誠意に欠けるものであると言わざるを得ません。
可能であればSONYにはインターネット接続サービス提供におけるそういった姿勢を改善してほしいところですが、染みついた企業体質によるもので変革は望むべくもないということであれば、せめてこういった事実が広く周知され、誇大広告に騙されて被害を受ける人が少なくなることを願います。
多分、これまで書いたようなSONY側の対応も、あからさまに法律違反しているわけではないのでしょう。
しかし、やり方の全てに、「いかに相手に対して有利な情報を気づかせないか」、「都合の悪い(または、他社に乗り換えようとした)客をいかに追い詰めるか」、「周囲に損害を押し付けて自分だけはいかに傷を負わないか」のようなことを合法の範囲内で常に企んでいる、といった底意地の悪さをひしひしと感じました。
中でも特に、「消費者側に有益となる情報をひた隠しに隠そうとする」姿勢は、隅から隅に至るまで徹底しています。
また、「ベストエフォート」、「期間縛り契約」といった、本来「事業者側の過剰な負担を軽減する」目的で制定された制度についても、明確な基準が定められていないのをいいことに以下のように度が過ぎる割合で適用し、「自分からは適切なサービスを提供することを怠っておきながら消費者側には負担を強いる、他社に移らせないよう拘束する」といった、本来とは全く異なる目的に悪用する姿勢についても目に余るものがあります。
・全く実用に耐えない、明らかに異常な低速の回線速度でも「ベストエフォートなので別に契約違反ではない」と言い張る
・本来の「損害補填」という性質から見て明らかに過剰、かつ目的も定かではない、長期間の期間縛りと高額な違約金を契約に盛り込む
この会社は顧客のことを「互いの利益を尊重する大事な取引相手」ではなく「上手く騙して金をむしり取る金づる」としか見ていません。
良識的な会社ならあってしかるべき、サービスやサポートの品質を維持しようとする企業努力について呆れかえるほど怠慢なのも、「そのせいで悪評が立ったとして、そんなものは所詮、一個人の局所的な体験談の寄せ集めにしか過ぎず、自社の知名度と広告戦略による顧客獲得を脅かすほどのものではない」とタカをくくっているからこそだと思います。
実際、私が最初の代理店の電話を受けた時、悪評に対する不安を訴えた際にも担当者が似たようなことを言ってましたからね。
「噂などというものは、各個人が狭い視野で好き勝手なことを言っているだけで信用になど値しない」と。
つまり、「突っ込まれたらそう言え」と社員教育しているわけで、ひいては会社全体としてそういう考え方であり、その言い分でゴリ押しすれば契約を取れると思っているということです。
個人客の満足度や、それによる評判といったものを軽視する大企業の傲慢さが透けて見えます。
もし今プロバイダー選びでSONY運営のサービス(So-net、NURO)を検討している人がいるなら、悪いこと言わないから別の会社にしておいた方がいいです。
いや、マジで。