株式会社机上の空論・現代アート展示会の草案
表現としての株式会社を標榜する株式会社机上の空論プレゼンツ
ディスクレーマーとしての現代アート
「ジュエリー展 彼女はお金の使い方を間違えている」
なくしても困らない、100円ショップで買えるもの。
洗濯バサミ。耳かき。画鋲。ヘアピン。カレーを食べるスプーン。
K18やプラチナ、ダイヤモンドに大珠真珠、エメラルド・・・
どれもゴージャスでファビュラスな素材で作られたチープな日用品。
ダイヤモンドのついた6万円のお箸で食べるカップ焼きそばの味。
2万円のプラチナ画鋲で止められた10%オフのクーポン。
「ただそれが欲しかったんです」と彼女は言った。
でもみんな言うだろう。「彼女はお金の使い方を間違えている」
もっとましな使い方があるだろう?
お金持ちもお金を持っていない人も口をそろえて言うだろう。
チープで馬鹿らしいモチーフが、数万円の値段で売られているのを見た時に感じる違和感や恐怖感、否定的な気持ち。富への畏怖という原始的な心理。
同時にそれゆえにそれを愛して日常に使う彼女は、愚かな選択をしているのだろうか?愚かであると決めるのは、いったい誰なのか。
富は民主化しなかったのだろうか?
資本主義はなにかを贖(あがな)えたのだろうか?
喜んでそれを買う人もいるだろう。
なぜ彼らはそこに価値を見出したのだろうか。
アートだから価値があるのか。
ジュエリーだから価値があるのか?
日用品だから価値があるのか?
それとも、高価だから価値があるのか?
あなたにとってのその価値は、なんなのか。
「注 これは現代アートです」
そういうディスクレーマーがあって、やっと人は富の畏怖から逃れる。
やっと純粋に値段も抜きで、その素材と向き合う事ができる。
ただ素敵なものが欲しいと思い、それを作ることができ、手に入れる事ができるというだけなのに、それを実現させない人々を縛り付けているものはなんなのだろうか。副作用のあるディスクレーマーがなくてはできなことなのか。
値段と素材と商品価値のバランスが壊れたものたちが「あなた自身の価値観」を問い詰める、チープでファビュラスなインスタレーション。
イベント①オープニングパーティー
【今夜はファビュラス・ハラスメント】
初日の夜に、展示会の主催者からのご挨拶とお礼、会場でちょっとしたコンサートを開催。作品の紹介や、その他手がけている新しいジュエリーの話なども。質素でいいと思っている人にファビュラスな体験を強要するファビュハラ・パーティー。
イベント②トークイベント
【株式会社机上の空論のひとり株主総会へようこそ!】
表現としての株式会社を標榜する事にした、わたくしの会社株式会社机上の空論ができるまでの顛末と、今後の展開を理解するための公開決算公告&税務申告イベント。
税理士、監査役などという名前でいろんな人がパネラーとして登場。
これから会社を作りたい!起業したい!という前向きな人から、表現としての株式会社ってなんぞやという野次馬までどうぞ。チケット販売します。
プレイベント【クラウドファンディング】
リターンはダイヤモンド!
ギャラリーを借りようと思ったら、1週間で15~30万円とかかかるんです。
カタログの印刷や、スタッフ配置などを考えるとお金がすごく必要。
作品制作だって高価格素材なので安くはないのだけれど、そこはあの手この手で素材を手に入れる事は可能です。
しかし、入場無料で誰が買うかもわからないものを多額の製作費をかけて作って並べるというのは、経営視点から見ると狂気の沙汰。
せめて60万円は欲しい。そして、100人くらいから支持されないと。
リターンも面白いものがいい。
手のひらにダイヤモンドの裸石をのせた事がある体験はなかなかないでしょう。ぜひそういう体験を共有したい。富の畏怖を体感してください。
オープニングパーティーやトークイベントの参加権利や、展示している作品が手に入るコースももちろんあります。
3000円から、10万円くらいまで。
勿論いくらでも費用は必要ですし、集まったら登壇者にもお車代をお出しできるのでなにとぞ120万円くらいまでご支援賜りたく。来年の3月くらいに着手する感じかと思います。
それにしても。
着実なビジネスとはかけ離れた構想なんですが。
大丈夫かな、私。
全然儲からないし、ただやりたいだけで大金動かして(数十万円ですけど零細企業株式会社机上の空論にとっては大金です)、無料で展示会。
やる方向で推し進めて、クラウドファンディングが成功したら、一気に詰めてしまおう……。
生きるのに理由も意味も必要ない。