凶暴な真珠と漆を世界に届けたい
五島列島まで行ってきました。
真珠探しに。
もう最高にビューティフルな、ちょっと異常な真珠。
アコヤ真珠は、大きくても9mmくらい。
10mmを超えるものはなかなかない。
そのなかなかない大珠を狙って作れる名人がいて、飛行機とフェリーを乗り継いで会ってきた。
これ、大きさは…13mmあるかも。
南洋真珠というタイプは、白蝶貝や黒蝶貝という大きな真珠貝から採れるので、13mmもあります。でもアコヤはなかなかない。
90年代半ばに中国産とおぼしき外国の真珠貝からウイルス感染があって、国内の真珠貝はかなりやられてしまい、純粋な国産天然あこや貝がなくなってしまったらしいのです。今は海外の貝とのハーフが多いのだとか。
そこで、その状況は大珠作れない!もっといい場所ないか!と五島列島までこられた方が十数年でここまで作り出すことに成功したそうです。
アコヤ真珠は、南洋真珠と比べると小粒だけど、妙なオーラがある。
それは、透明感とか、虹色の光がゆらゆらと見えるせいで、南洋真珠はそれがなくてちょっとマット。
あこや貝はこんな揺らめく虹色の貝なのです。
これだけでも小物入れにして売りたい。
薄いので、革などを貼り付けて補強してジュエリートレイにならないかな。
海の、生き物の気配がすごい。
ジュエリーというと鉱物や貴金属だけど、真珠は違う。水産商品なのです。
ぬめぬめと光る真珠は、アコヤ独特の輝き方。
南洋真珠は、もうちょっと大味。
そこに、あり得ない大きさの、南洋真珠に匹敵するアコヤ。
これは破壊力すごいです。
(事実、相場の10〜20倍で取引されているそう)
なかでも、このアコヤバロック。
生命力の塊のような強さ。
野生児!狂暴!
惚れます。
でもね、これらはあまり好まれないそうです。
日本の真珠は、ネックレスにするために形や色が揃ってることをよしとする。なのでバロックはやり難いんだそうで。
なんてもったいない!
全部買い上げて、どれも素敵なジュエリーにして、愛してくれる人のもとに届けたいー、とわめいていたら、「殺処分ゼロ里親譲渡会みたい」と言われるように。
結婚式など冠婚葬祭マナーとして真珠のネックレスを!というのは、単なる真珠業界のマーケティングだったと思います。
その方が売れるから。確実に。
で、結局、それが足を引っ張ってる節が多分にある。
真円真珠がマナーなのにバロックのネックレスなんてクズ珠つけて!とマナー教師に怒られるわけです。
たくさん売れた方がいいでしょうよ、そりゃ。
特に右に倣えの性質が強い日本で、このマーケティング手法は最高だったと思います。
でもそのせいで、こんな豊かさが弾かれて捨てられて(インド人の業者が買ってくって言ってた)、そんなの悲しいと思ったのです。
そうそう、真珠には実は透けない素材がとても似合うのだそう。
漆とか、レザーとか。
それらをあわせて、日本産ジュエリーができるなと思ったらとてもワクワクしてきたのです。
スリランカとか掘り返してこなくても、木を植え、貝を育てて、相当パンチの効いたジュエリーが作れる。
できれば環境保全にそのお金を回したい。
なんてったって生産地ですからね!
漆で、ゴスロリとかロックモチーフ。
世界でも有数の大珠アコヤバロック。
多分世界に打って出られる。
1000万円のジュエリーとかもできるんじゃないかと思います。
エシカルジュエリーの流れもあるし、真珠と漆なんか超エシカルですよ!
今の私のお客様向けに探していた素材が、まさかの世界戦エントリー可能になるとは。
世界に向けて、真珠と漆でロックなジュエリー。
日本産って言わなくても、東洋の神秘的なオーラと、世界に負けないパンチの効いたジュエリー。
お手頃なのは、シュシュとかヘアゴムとか。
ゴムは切れたらチェーン通してネックレスにできるようになってますから安心して。
(ちなみに、最初の画像のヘアゴムは真珠部分の留め金にゴールドを使っているので、お店によってはペンダントトップとして3万円とか普通にしそう。珠の品質というところでお値段さがるかもしれませんが、大珠でこれだけ輝きがあるとチェーンつけて8万円くらいの事も)
先行して、ヘアゴムとか買いたい方がいたら、少しずつ販売しようかな?と思ってます。
バロック珠仕入れさせてもらえるよう、交渉しないといけないし、それには「売れます!」って言える状況をお見せしたい。
真珠も漆も、環境保全しないと作れない。
そこにちゃんとお金をまわすには、ジュエリーはとてもよい選択なのです。
商品は、もっとすごいものが作られています。
多分みんな想像もしないやつ。
それらを世に出したい。
そして、マナーだとか伝統とかに縛られずに堂々と好きなものを大切にしたい。それと伝統やマナーへのリスペクトは両立するから!そういう社会を作らなきゃ!
そんなこんなで、世界に打って出ようと思います。
我々は、堂々と、好きなものを好きだというのだ!
ロック精神で、生きていきたいのです。
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つよく生きていきたい。