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ファッションと人生とそれから

2020年、8月も終わり。オリンピックはなかったが、この猛暑ではやらない方がよかったのではという気持ちを抱えて、私はなぜかファッションの講座に申し込んでいた。

そう、去年の話です。

理由は、特にないです。
というか、これといった強いきっかけがあったわけではない。
もしあったとしたら、その年、生まれて初めて1000万円をもっていることに気がついたという事です。

私はビジネスをしているので、それらは個人の金ではなく会社の金としてカウントするべきものだし、借りた金もあるので全額が自分のものではないです。

でも1000万という数字に、私はびっくりしたし、感動もした。
私が、私の人生で、まさか、ここで出会えるなんて、えっ、うそでしょ?まぼろしかな?(まあ実際、すぐに減るからまぼろしなんだけど…)
でも幻の1000万円にわたし、いま、出会っている!!

この時「これはちゃんと使わねばならんぞ…」という、お金に苦労してきた私の野生のカンが働いた。

最もよい金の使い方をしなくてはいけない。

そして、ずっと苦手意識があったファッションについて、なんとかしてみようと思ったのです。
金がある今なら!という。

しかも、服を買うぞ!じゃなくて、ファッションの指導というか勉強というか、パーソナルスタイリストに聞いてみようという気持ちになった。
服の1枚でも買うつもりで。

という事で申し込んでみた「自問自答ファッション講座」さん。


パーソナルスタイリストやファッションについて骨格診断やパーソナルカラー診断などが大いに賑わっている中で、なぜこれと言って特徴のない(失礼…でもファッションにうといとみんな同じに見えるんですよ…)この講座に申し込んだのかというと

☑デザイナーやパタンナーじゃない=作る人じゃない
服が好きな人であっても自分で作れちゃう人は買って着る人の気持ちとずれがち!買う専門の人でないとダメ

☑デパートやお店の店員さんじゃない
ひとつのブランドやお店に縛られるのは、私の今のニーズにはあってない。広く、何かにこだわらずに、ファッションに関わっている人がいい

☑雑誌やテレビやマスコミ向けじゃないスタイリストさん
人前に立つことを前提としたファッションや「おしゃれに見せること」を考えて欲しいんじゃなくて、私の生活というか、もっとベースのところに重きを置いてほしい

という3つの「じゃない」理由がまずあった。

そこを、するっとクリアしている!!

さらに、

☑ファッションガチ勢がいい
☑ミニマリストと自称しない人がいい(私はファッションの話をしたい)
☑ハイブランドや高級品を嫌わない人がいい
☑かといってこちらのお財布事情もくみ取れる提案をしてもらわないと絵に描いた餅だから
☑逆にプチプラ一辺倒&メルカリ大好きな人だとたぶん私の価値観やビジネス観と合わな過ぎるのでそうじゃない人がいい
☑パーソナルカラー診断や骨格診断重視過ぎるのも微妙=それならそういうサロンに行く方がよさそう
☑ファッションガチ勢であっても社会常識が必要という事は理解していてほしい

などなど、書き出すと結構すごい量の条件があったのです。

ただ、その時は別にこういう条件で探していたわけじゃなくて、なんとなく私の中の必要とする条件はこれだけあるけど、それに合致したサービスを探し出すのはGoogleでも無理だなって感じでした。

が、そういうの、運と勘でカバー。

なんとなく検討の状態でブログなどを読み、「ファッションガチ勢!」というのがわかったのが一番申し込みする強い動機だったと思います。
スタイリングが上手という事より、ファッションガチ勢感のほうが重要…。
私はファッションガチ勢の話を聞きに行きたかったのです。
服の数とかは、おまけです。

ちなみに、昨今人気の「私服の制服化」という言葉は、私はそんなに重要じゃなかった。
どうせいつも同じ服を着るのでいわれるまでもない!生きているとそうなるからあえて言わんでいい!という。

ただ、制服化と言っていることは「あれもこれも買お?」「とにかく着まわししよ!!一ヶ月着回し劇場レベル!!」といわれることはなさそうだなーという判断に至りました。
提案される服の量が少ないであろう、という推測(ちなみに、これはあたりでもあり、ハズレでもあった。質問したら大量にブランドやおすすめ服、その理由などを教えてもらえた)。
初心者だし、数は少ないところから行きたい……という心弱さにはちょうどいいと思って、特に魅力は感じなくてもメリットは大きく感じていました。

もうひとつ。
これは、服を買う、選ぶという事とは少し違うことだととらえていました。
似合う服を選んでほしいというよりは、私はファッションについて学びたかった。それも本を読むとかじゃない方法で。
ファッション本は山ほど出ているし、毎月たくさんファッション雑誌があるけど、そういう紙の上の話はもう十分だった。実地で、ガイド付きで学びたかった。自分の体は、サンプルのひとつ。かといって他人にめちゃくちゃ興味があるという事でもないのだから、やっぱり自分のことから始めるのが一番です。
そして、学びというのは、やっぱりすごくエンターテイメントな側面がある。エンタメ。

実際には、ファッションは私にとっては結構根深い痛みと重なっていて、ちゃんとやろうとするほど苦しむことは目に見えていた。
でも、お金もできたし、仕事としてもファッション分野に関わる世界に足を突っ込んでしまったし(ほんとにご縁としか言いようがない展開)、新型ウイルスで仕事はめちゃくちゃ停滞しているし、「今かな」って感じがあった。

そんなこんなで、ちょっとした遊びと勉強と今後のビジネスにも役立つかなという視点に、今までの自分では立ち向かえなかった人生の弱点の克服という壮大なミッションもサクッと混ぜて、申し込んでみたという事です。

で。どうだったかというと。

とても面白い部分と、「それも必要なことなのかな?」という部分と、「えっ、どうしたらいいの?」というのと、すごいいろいろありました。
講座を受けると、「こういうのおすすめ!」という感じのレポートをもらえるのだけど、レポートであって、服じゃないんですよね、当たり前なんだけど。
で、ここからどうしていくのか?という、ダンジョンに放り込まれた感じでした。
そう、中に入ることさえできなかったダンジョンの中にいることに気が付いた。そして最初のステージの攻略本がついている。

なんというか、私の感覚ですが「ええーー、いきなり山に登るの??」という気持ちでした。

なんというか、ファッションというか、服を買いたいとか減らしたいとか、そもそもそういう具体的な目的を持ってなかったのですよね。やってから気が付いたのですが。だから、とってもぼんやりしていた。

たぶん、具体的に「服が買いたい」などある人は、ダンジョンに放り込まれたという感じではなく、コンパスと地図をもらった感じのほうが強いと思います。最初からダンジョンにいるってわかっているから。
わたしは、ダンジョンにさえ入っていなかった!

でもですね、最初の「えっ」感からしばらくして、おすすめされたブランドの10万円の靴を1足買い、手持ちの服の70%を手放した

そうしなさいといわれたわけではない。
レポートと解説で「これいいと思うの!」という感じで教えてもらっただけです。これは捨てなさい、みたいなのはナシ。
でも、わかるんですよ、「あーーこれじゃないな!」というのが。
言われたことは最初全然理解できてなかったけど、言いたいことはわかるよ!という感じで、着ていない服をごっそり捨てた。


そしてほぼ一年後のいまですが、引っ越しという大仕事をやって、あると思っていたお金は当初の予定通り幻に等しいことを実感したりしている。
そして「服どころじゃないなー!」という状況でもある。でも服の事を考えていた時のほうがずっと楽しかった!

極めて自由な生活をしているけれど、服はオフィスカジュアルが意外にもベースとして合うことにも気が付いたりしている。
もともとエレガントなヤクザというのが自分のテーマでもあったのだけど、見た目の華奢さ(可愛さ)と「もしかしてカバンにチャカ入れてます?」みたいな不穏さをうまくつなぐ表現方法を探し続けている。
オフィスカジュアルをベースにお上品にしておいて、蛇柄とかスタッズびっちりの靴とか履く。
プラチナネックレスとか大粒ダイヤのネックレスとか、普通につける。本真珠なども。エレガンス。

まさかこんなにお出かけしない生活になると思わなかったけど、これからもう少しそろえていきたいなと思っているところです。

服は、行動を広げてくれる。

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つよく生きていきたい。