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#14 大桂商店

こんにちは。

be-en 代表のゆうかです。

蔵元巡り第14弾は長野県上田市に店舗を構える『大桂商店』さんを訪問し、7代目店主の小林さんにお話を伺いました。

大桂商店の歴史

大桂商店は文政4年に創業し、200年の歴史があります。

お店は旧丸子町に位置し、江戸時代に整備された五街道の一つである中山道(中仙道)が通っていました。

創業以前より、お米や大豆があったために醤油業を開始されていました。その後、上田市では養蚕業が盛んで製糸工場が周辺にあったため、製糸工場で働く働き手のために味噌を卸すようになったと伺いました。

開国後の明治時代には、長野県で生産したシルクを横浜港まで運送する運送業も手掛けるなど、手広く事業をやられていたそうです。

小林さんの経営理念

大桂商店7代目店主である小林さんは元料理人です。(小林さんの経歴はこちらをご覧ください)そのため、味噌作りにも料理人としての経験を活かし、料理を美味しくする味噌を作る 『調味料屋』になること を目指しています。

小規模経営の強みを活かし、販路開拓には小林さん自らが出向きます。営業方法も元料理人ならではの発想で、腕の良い料理人がいるお店に足を運んで料理を食べ、お客様としてお店との関係構築から始められるそうです。

直接商品を持ち込むのではなく、お店の良さ、そのお店の料理人の料理へのこだわりを知るところから始める、という姿勢から、小林さんの人や料理に対する敬意が感じられます。

味噌のこだわり

大桂商店では、味噌の原材料と糀にこだわりがあります。

原材料に使う大豆、お米は国産のものを使用していて、大豆は長野県産と北海道産の極上大豆を、お米は長野県産米を使用しています。大豆は味噌によって使い分けているそう。

製造している味噌は、みんなが美味しいと感じる塩味、甘味、酸味のバランスがとれたオーソドックスな味噌で、”お湯に溶いて飲むだけでも美味しい” 味噌だとか。
実際に飲ませていただき、お出汁がなくともしっかりと旨味を感じ、感動しました。また、味噌だまり(熟成した味噌の上澄液)を味見させていただき、旨味の濃度が濃く、まるで出汁や味醂を調合した醤油ダレのような複雑な味わいに、驚きを隠せませんでした。

味噌だまり

味噌の甘味は糀に由来しますが、その甘味は発酵の過程で生じる、デンプンを糖に分解するアミラーゼのはたらきによるものです。大桂商店では、アミラーゼ活性を高めて糖が沢山生成される仕込みを行うことにより、理想の甘味を作り出しています。

他にも、長期発酵でも味噌の白さが維持されるように、乳酸菌を加えて pH を下げ、発酵を鈍化させることも行っているそうです。

お話を伺っていて研究者気質な方だなと思い、私も酵素について研究してきた経歴があるため、酵素反応など科学的な観点でもお話ができ、とても楽しかったです。

味見用の味噌を取り出す小林さん

みんなから愛される味噌を目指して

味噌への探求心が深い小林さんですが、実はご本人は味噌がそれほど好きではないそう。しかし、そのギャップを活かして、そんな自分でも美味しい、と思える味噌を作ることができれば、それが強い武器になる、と仰っていました。

実際にお味噌を試食させていただきましたが、どの味噌も塩味がマイルドで甘味が感じられました。特に「奏龍甘味噌」は、珍しい30割糀(大豆に対し、3倍量の米麹を使用)の味噌であり、梅のように爽やかでフルーティな味わいを感じ、その美味しさに感動を覚えました。大桂商店の味噌を購入したお客様も、一度使ってみて、使い終わったら以前食べていた味噌に戻るものの、やはり大桂商店の味噌が美味しかった、と再購入される方も多いそうです。
普段は飲食店との取引が多いですが、ふるさと納税を利用したところ、購入客が増加し、あるサイトの味噌部門では一位になったとか。ふるさと納税経由でご購入したくださったお客様も、その後、美味しいからとリピートしてくださるそうです。
大桂商店さんの美味しさへのこだわりが伝わっているのだと感じました。

味噌造りに携わる職人としても、元料理人の経歴を持つ経営者としても、お話が尽きずにとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
小林さんに心より感謝をお伝え致します。

長野県上田市にお越しの際は、是非、大桂商店のこだわりのお味噌を食べてみてください♪

それではまた次の記事でお会いしましょう!

▼ご紹介した大桂商店の HP はこちらから

文責:むーみん

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