#01 Khimaira Part 1 ~ 藍染体験 ~
香川県讃岐市津田町にある本藍染工房「Khimaira(キマイラ)」で藍染を体験させていただきました。その体験記を執筆します。
体験当日、待ち合わせの讃岐津田駅に着くと、藍色に染まった手の堀尾早敏さんが出迎えてくださいました。
車に乗せていただき、堀尾さんの営む本藍染工房 Khimaira へ。
販売所には服屋、鞄など、さまざまな藍染製品が並び、藍染工房はその奥にありました。
手前の丸い釜は染瓶(そめがめ)といい、藍液を溜めておくための伝統的な瓶。瓶本体を工房に埋め込むことで、外気温を影響を受けないようにしているそうです。 工房の温度は20-25度、冬場でも17度前後を保っており、温度が高くなり発酵に影響が出ないように管理されています。
仕込んだばかりの藍液を覗かせていただくと、木灰 (きばい) の色が強く泥色で泥っぽい匂いがしました。
一方で、1週間ほど発酵させた藍液は色が少しクリアになり、香草のような独特の香りに変化していました。この発酵が進んだ藍液で染めを行っていきます。
Kihimairaでの藍染体験は基本、3名以上で参加可能です。価格は以下のいずれかで好きな柄を入れることができます。
・手ぬぐい 1500円
・ハンカチ 1000円
染めたい生地を持ち込むこともでき、その場合は1人から体験 OKです。
持ち込みの際の価格は [衣類の重さ(g)] × [すくも(g)] で決まります。
※すくも・・・染料液のこと。タデアイの生葉を刻み、天日干しで乾燥、発酵させて作られる。
持ち込む衣服は、ポリエステルやレーヨン等の化学繊維の比率が高いと染まりが悪くなるため、天然繊維 100% のものがオススメです!
今回は麻100%のワンピースを準備しました。(購入時からポケット付近にシミがあり、そこも綺麗に染まるといいなという思惑も。)
ワンピースは染める前に一度お湯に通し、生地ののりを取り除きます。新しい服の場合、生地に織機 (しょっき) ※の油がついていて藍液が弾かれることもあるそうです。 ※織機・・・糸から織物を織りあげる機械のこと。
今回は私のこだわりで、斜めのグラデーションに挑戦させていただきました。
藍液上に浮いたあくを木の棒で瓶の端に寄せ、竿に吊るしたワンピースを液の浸透速度に合わせてゆっくり浸していきます。竿の角度を水平に保ちながら、手元の糸をゆるめて一定速度で生地を下ろしていく作業には、かなりの集中力を要しました。
あくがつかないように気をつけながら、藍液に何度も浸し、徐々に色を重ねていきます。
堀尾さんのサポートを受け、なんとか染めあげることができました。
染め上がった服は酸素に触れて、徐々に綺麗な青色※に変化します。
※無色のインジゴ還元体が酸化され、鮮やかな青色へ。(藍染の原理に関してはPart3でご説明します。)
染め終わったら軽く水洗いし、1-2日裏表を天日干しを行います。
日光に浴びるとアクが表に出てくるそうで、干した後は熱湯で湯がき、アク抜きをします(Khimairaでは84度)。
私は持ち帰って自宅でアク抜きを行いました。湯がいた液が緑色でなくなればアク抜き完了です。(湯沸かし器のお湯を小鍋に何度も入れ直し、湯がく作業は根気がいりました。笑)
再度天日干しをして、遂に完成です!!
見る度に可愛いと声が漏れ出てしまうくらい大満足の染め上がりに!
ポケットのシミも綺麗さっぱりなくなりました。
堀尾さんにも「かっちょぶーですね!」とお褒めのお言葉をいただき大喜びしています。
藍染した服の取り扱い方は着物と同じで、紫外線に弱く色褪せてしまいます。洗浄は中性洗剤を使って手洗いすることをおすすめされていました。
そもそも藍には抗菌作用があり、軽く洗うだけで十分だそうです!
色褪せたお気に入りのジーンズやお店の暖簾などを藍で染め直せば、色鮮やかな青色になり、生地に再び命を吹き込むことができます。
是非、皆さんも汚れてしまった白い服や、思い出のジーンズなどをKhimairaに持ち込んでみてはいかがでしょうか?
藍染体験が終わり、坂出方面に移動することをと伝えると「ちょうど仕事があるから」と堀尾さんが車で送迎してくださいました。(その途中、近くのおすすめのうどん屋に案内してくださったりも。)
親切で気さくな堀尾さんのおもてなしに、心あたたまる藍染体験となりました。
改めまして、貴重な体験をさせていただいた堀尾さんに感謝を申し上げます。
次回Part2では、堀尾さんにフォーカスをあて、ご経歴、お仕事への想い、これからの活動に関してたくさん執筆させていただきます!