スペシャル版オクラホマ大学大公開1!!!
現在日本では、UNIVASという組織ができましたね。日本の記事やニュースを見ていると、UNIVASに対してのネガティヴな記事を多く見かけます。
新しいことを始めるということは賛成と同時に否定意見があるのは当然のことでしょう。しかし大切なことは、UNIVASが日本の大学スポーツ界をどれだけプラスに導くことが出来るのか だと私は思います。
UNIVASやNCAAの組織についての具体的な説明が書かれている記事を見つけたので引用させていただきます。
そして今回のnoteは、私が通っているオクラホマ大学の先輩に登場してもらい、アメリカの大学を経験している私たちだからこそ分かる事というのをまとめていきたいと思います。
まず最初に先輩の紹介を...
彼女はゴルフ部に所属している 4年生の有本花怜(ありもと かれん)さん。5歳からゴルフを始め、中学2年生の夏からアメリカで生活しています。留学しようと思ったきっかけは、世界トップクラスで戦えるアメリカで実力磨きたいと思ったからだそうです。当初は1〜2年間の留学予定だったそうですが、その期間に良い成績を残す事ができ、通っていたゴルフアカデミーから奨学金をもらって高校卒業まで滞在。
高校1年生の時にはアリゾナ大学、バンダービルト大学、ノースカロライナ大学などを含む強豪7校からフルスカラーシップのオファーを獲得し、大学見学に行った結果オクラホマ大学へ入学することを決断。ゴルフ部はゴルフコースなどの大きな敷地が必要となるので、練習施設がキャンパスから離れている大学がほとんどですが、オクラホマ大学は全施設がキャンパス内にあり、好きな時間に練習をできるのがとても便利だと思ったのが大きな決断理由になったそうです。
チームの雰囲気や街の一体感などもオクラホマ大学の魅力だったとお伺いしました。(聞いたところによると、ゴルフの場合、高校2年生の時点でほとんどのスカラシップの枠が埋まってしまうので、早くから学校見学に行っていたそうです。)
現在、有本さんはゴルフチームの主将をしながら、ラストシーズンに望んでいます!
1. 私たちが経験して感じたメリット
ここからは有本さん、黒崎が考えるNCAAと大学側が選手に与えるメリット、逆になぜ大学がそこまでスポーツに力を入れることができるかなどを話していきたいと思います。
その前に皆さんに理解していただきたい事は、これからシェアする情報はオクラホマ大学、ケンタッキー大学で感じたことを元に書いているもので、すべてのD1の大学が同じ待遇をしてるわけではないということです。
A. 医療面の充実さ
オクラホマ大学 (ケンタッキー大学も同様に)では、入学や編入後すぐ大学付属病院でメディカルチェックを受けます。そこで、採血やエコーをとって健康状態を確認したり、予防接種の注射を受けたりします。NCAAの医療面としては、Concussion (脳震盪) テストを最大重要としています。アメフトやサッカーなどの接触が多いスポーツが行うのは当然ですが、その他の部活も必ずチェックを行います。
キャンパス内に付属の病院がある為、アクセスも良く、アスリートは優先して対応してもらえます。部活、トレーナーと病院の間の連携が上手く取れているのも良いところだと思います。
(↑オクラホマ大学の病院)
またアスリート専用のケアールームには、様々なリハビリ器具が揃っており、練習前にテーピングを巻いてもらったり、練習後にアイスバスなどを使って疲労を残さないようにケアする事ができます。
B. 栄養面のサポート
オクラホマ大学ではセメスターの始めと終わりにBodPodという機械を使って筋肉量や体脂肪率などを測る身体測定もあります。この測定結果を元にフィットネストレーナーと筋トレのメニューを組んだり、食事の相談をアスリート専用栄養士としたりします。そこでバランスの良い食事がとれているかを定期的にチェックしてくれます。
BodPodの結果など参考にしながら、運動後なにを食べるべきなのか、どのくらいプロテインを摂るべきなどのアドバイスをくれます。
現在、サッカー部では、栄養士を含めたグループチャット内で、各自朝ごはんに食べた食材がどの栄養素の分類に当てはまるのか。などの意見共有をしています。その習慣を通して栄養知識を増やす事で、今後チーム全体のより良い食生活を目指しています。
ゴルフ部では栄養士付き添いのもと、スーパーの買い出しに行き、どの食材を使ってどんな料理を作るかなどの指導もしてもらいました。下に写真を掲載しましたが、栄養に関しての資料などが定期的に配られます。今までそれに目を通してきた私は、なにを、どのタイミングで、どれぐらい食べるべきなのか。を常に把握しています。
これは私たちが思うアメリカの大学の凄いところの一つです。
各部室とジムにはプロテインシェイクやプロテインバー、サンドイッチやフルーツなどの軽食が取れる場所が設けられています。このように運動後すぐに必要な食べ物や飲み物がもらえるということは身体を作っていく上で大変ありがたい事です。
C. スポーツ
スポーツに関してはスカラーシップ有無に関わらず私たちがお金をだす事は一切ありません。
試合の参加費や遠征費も学校が負担してくれます。飛行機代とホテル代はもちろん、遠征中の食事も用意してくれます。有本さんは遠征中レストランに行く時は、ここぞ!ということで一番高いメニューの食事を頼んでしまうそうです (笑)
オクラホマ大学にはナイキがオフィシャルスポンサーとして付いていて、用具や活動に必要な衣類などは全て提供してもらえるのでそこにかかる費用はありません。
部活別にもスポンサーがついていて、例えば男女バスケ部とアメフト部にはナイキの中のAir Jordanというブランドがついており、そのブランドを背負ってプレーしたりしています。
ゴルフ部では、ナイキがボールやクラブなどのゴルフ用品を作る事を停止し、使用することができないので、PXGという会社からゴルフクラブを提供してもらっているそうです。PXGはクオリティーが高いぶん、普通に買うと手に届く値段ではないので提供してもらえるのはすごく心強いそうです。(うわさによるとPXGのゴルフクラブは1セット100万円近くするのだとか)
(有本さんの写真提供)
オクラホマ大学のどの部活もクオリティーの高い施設を所有しています。下記の写真を見ていただければ分かると思いますが、スタジアム以外にもロッカールームやウエイトルームなど、ありとあらゆるところまでこだわって作られています。各自のロッカーとは別にミーティングなどで使用するラウンジもあります。
そしてアスリート専用のウエイトルームには約100mある人工芝があり、器具を使ったトレーニングと同時に走りのトレーニングも行う事ができます。
私たちはスカラシップという返済不要な奨学金をもらっています。その為、私たちの監督やコーチは口をそろえてこういいます。『これはビジネスだと思え』と。
でも本当にそうなんです。私たちは大学側からお金をもらっている立場なので、意識はプロ選手の方と似ていると思います。
私がケンタッキー大学からオクラホマ大学に転校し、感じたことはレベルが高くなるにつれて、その意識が高い選手が多いと感じました。
個人的に私はシビアな世界で戦っていると考えています。日本人である私たちはインターナショナルの生徒なのでアメリカ人選手の倍近くの学費がかかります。
契約によりますが、パフォーマンスが落ちると奨学金が下がったり、単位が取れていないとクビになったりすることもありえます。つまりスカラシップをもらっている以上、私たちは結果を出し続けないといけません。
ですが、こんなにも素晴らしい環境でできること、魅力に感じませんか?
D. 勉強
アメリカの大学は知っての通り、文武両道で有名です。私たちはスカラシップを頂く代わりに、その分勉強をしないといけません。NCAAの決められたルールの中にも一定のGPAをキープしなければ、練習や試合の参加が出来なくなるというルールもあります。だからみんな必死になって勉強をします。
スケジュールが多忙な私たちは、試合の遠征などで授業を欠席する日が多々あります。一回休む事で授業に出遅れる人もいるため、私たちにはtutor (家庭教師) をつけてもらうことができます。
大学側がTutorの授業費を払ってくれるので、私たちが支払いをする事はありません。授業で分からないところを質問したり、レポートやエッセイを書く時に修正してもらえたりします。(こんなサポートをしてくれる環境があるのに、単位落としました。などのいいわけは一切通用しません。笑)
過去のnoteにも書きましたが、プロになりたいからスポーツをしているという人より、スカラーシップを通してできるだけ低いコストでdegree (学士)を取ることを目的としている選手のほうが多いのが事実です。
しかし、そんな中でも多くの1、2年生は日本の大学生と同じく、何を学びたいかというのが明確に定まっていません。ですがアメリカの大学は入学後でも自分の専攻を変更することができます。それは日々の授業を通して、自分が学びたい事が変わる可能性があるからです。
そのため1、2年生はアドバイザーと定期的にミーティングをし、成績などをチェックしながら自分にあった専攻を見つけることができるようになっています。
大学の理解のあるシステムおかげで本当に学びたいことを見つけることができ、卒業後の自分のキャリアの成功に繋がるのだと思います。
ご覧頂きありがとうございました。
次回のnoteでは、
2. なぜ大学スポーツがここまで盛り上がるのか。
について公開したいと思います!
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有本さんのInstagram
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黒崎優香 6月12日生まれ。現在アメリカにサッカー留学。今しかできない経験を沢山させてもらっているのでそれを何か形として伝えていきたいと思いnoteを始めました。 Twitter&Instagram:@yuuka_kurosaki Facebook:@yuukakurosaki1997
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