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ドール No.5
著:小松 郁
5.
着いたわよ。
夜風が彼女たちの髪を揺さぶっている。
彼女たちは月をバックにビルの端に立っていた。
彼女たちはいつものメイド姿とは違い全身スパッツに腰や太ももや腕のそこら中に武器を縛り付けて胸には防弾チョッキを着けている。
今日はちょっと荒れるかもしれないわ。
ええ、わかっているわ、琴音ちゃん。
でも虱潰しにしていくのが面倒くさいわね。
しょうが無いわ。
私たちはあまり表立った行動は出来ない。
私たちにはの特権が与えられているけれどそれは私たちの命を保証してくれるものは誰も居ないと言うことだわ。
気を引き締めていくのよ。詩織ちゃん!
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