ドールNo.6
著:小松 郁
6.
朝日が穏やかに舞い込んで気だるい陽気を漂わせている。
琴音は静かにすやすや眠る詩織の寝顔を見ながら彼女の髪の毛を弄んでいた。
部屋には静かに音楽が流れている。
そこには永遠と思われる時が流れていた。
ふと詩織はピクリと反応しゆっくりと目を開ける。
琴音・・・ちゃん・・・。
なあに?
私、夢を見ていたわ。
そう・・・。
ここは・・・現実の世界よね?
そうかもしれないしそうじゃないかもしれないわね。
琴音は少しからかうように言った。
詩織はそれを見てほほを膨らませた。
寂しかったんんだから・・・。
夢の中ではいつも一人ぼっち。
そうね。
私も夢はあんまり見ないけど多分大抵一人ぼっちだわ。
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