ドール No.9
著:小松 郁
9.
夜明けはまだ早かった。
2人は洗濯したり掃除をしたり朝食の準備をしたりお風呂の準備をしたりとお互いにてきぱきと動いていた。
「琴音ちゃん、ちょっと疲れたわね。
なんだか、家事やるの久しぶりな気分だわ。」
「詩織ちゃん、私たち自分たちのためにこういう事やるってあんまり無いものね。
でも2人でやると大分楽じゃない?」
「そうね、でも気持ちよい朝で良かった。
今日はデート楽しみね。」
「うふふ、ちょっと街中ぶらつくだけだけどね。
今日は仕事は少し休めれば良いけど。」
「何だか、町に出ると問題児ばっかりよね。
みんな、好き勝手に面の皮も街中も汚し放題。
私たち何の為に美化運動やっているのか分からないわ。」
「それが人ってものなのかしら?
教育がなってないとか一時期は言われたみたいだけどね。
その教育がどん底に腐って穴だらけだからどうしようも無いわ。」
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