見出し画像

The Doobie Brothers「Minute By Minute」(1978)

せっかくドゥービーのコンサートチケットが当たったので、彼等の代表作をピックアップしました。

時代の変化に合わせて進化したバンド。もちろんイーグルスもそうですが、ドゥービーの場合、豪快なギターのリフが、洒落たキーボートのリフに大きく変化していった稀なバンド。
前期はトム・ジョンストン、後期はマイケル・マクドナルドがキー・マンですが、柔軟に対応したパット・シモンズの役割も見逃せませんね。

マイケル・マクドナルドがドゥービーに参加しての初アルバムは、1976年発表の「Takin' It to the Streets」ですが、いきなりマイケル節炸裂の②「Takin' It to the Streets」には多くのファンが戸惑ったに違いありません。
このソウルフルなアーチストを受け入れたドゥービーも凄いですが、前期ドゥービーの音を一掃させてしまったマイケルも大した度胸だと思う。それほどドゥービーも危機意識があったのでしょうね。

本作品は1978年暮に発表された、ドゥービー最大のヒットアルバム。

①「Here to Love You」のイントロ、リズムカルなドラムに絡むコンガ、そしてマイケルのキーボードがそこに乗っかるその音は、一聴して分かる後期ドゥービーサウンド。かっこいい~。

ケニー・ロギンスとマイケルの共作の超有名曲②「What a Fool Believes」、③「Minute by Minute」とマイケル節は続きます。②は後期ドゥービーでも一番有名な、また一番真似されたリフでしょう。

私が本作で一番好きな曲はパット作⑦「Sweet Feelin'」。
このアルバムでのこの曲の立ち位置は微妙です。AOR史上名盤五指に入り得るこのアルバムのなかでもパットはしっかりと自己主張しています。カントリーフレイバー溢れる佳曲ですね。ここでのニコレット・ラーソン嬢のコーラスもチャーミング。そしてここでもマイケル。♪ Ohh,Sweet Feelin'とサビのコーラスが入るがマイケルのスモーキーヴォイズはワンアンドオンリーで凄い自己主張ですね~。パットとマイケルのコラボって感じ。

またこの後の⑧「Steamer Lane Breakdown」、⑨「You Never Change」の流れも大好きです。全てパット作。⑧はもろにカントリーインスト。⑨はマイケルから影響を受けたと見られる渋い曲。

エンディングの⑩「How Do the Fools Survive?」はマイケルとキャロル・ベイヤー・セイガーの共作。
複雑なリズムに聴こえるのはマイケルのキーボードとタイラン・ポーターのグルーヴィーなベースが織り成す技。それにしても前掲の「Steamer Lane Breakdown」と曲調の差があり過ぎる(笑)。

冒頭柔軟に対応したパットと述べましたが、この⑦~⑨に彼の柔軟性が窺えます。マイケルも凄いが、このバンドを支え続けたパットも凄いと思います。

いいなと思ったら応援しよう!