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みんなが、好きに過ごせたらいいですよね
今日は、月に一度の整体の日。そこで、とあるご夫婦の話を聞いた。
私と同年代の夫婦。奥さんの方は社交的で、趣味は海外旅行と友達に会うこと。閉鎖的な人間関係の職についていて、それだけプレッシャーもすごいのだけど、休みのたびに人と会うことでうまく発散していた。
それが、このコロナ禍。職業柄、決して感染するわけにはいかず、この二年間友人にも会えず、ひたすら職場と自宅の往復をしてきた。
かたや旦那さんはというと、元々一人で過ごすのが好きな性格で、収入は減ったもののロードバイクにガーデニングにと、黙々と趣味に打ち込んでいたんだそう。そしてそんな旦那さんを見て、奥さんはだんだん苛立ちを募らせていった。
――私はこんなに好きなことを我慢しているのに、一人で楽しそうにして。
……と、そんな夫婦の話を聞いて、私が最初に思ったのは「なんて話し合いの足りない夫婦なんだ」ということだったのだけど、その次には奥さんに同情の念を抱いた。そんなアクティブな人にとって、今の社会はどんなにか息苦しいだろう。
私だけでなく夫もだが、社会が大きく変わって、恩恵を受けたことの方が多い。
お互いに社会と関わるのが苦手なので、店員さんと話さずに済むセルフレジは楽だし、苦手な人からの誘いを断る理由もできた。幸いなことに、着々とゲーム開発は進んでいて、任天堂さんやブシロードさんからの嬉しいサプライズに五体投地する日々。私は苦手だった料理にも挑戦するようになったし、おうちトレーニングで肉体改造も順調に進んでいる。以前よりお金を使うことに慎重にもなった。
だけど、もしもこれが真逆の状況だったら。「家にいるな。毎日外出して、誰かに会いなさい」と言われたら。
きっと二人とも早々に、気が滅入ってしまったと思う。
要は、人それぞれなのだ。家にいたい人もいるし、誰かに会いたい人もいる。
そして、それは逆のことをしないというわけではなく、ひきこもりだって外に出るし、外交的な人だってゆっくり過ごしたい時もあるはずだ。私だって居酒屋で友達と他愛のない話をするのは好きだったし、店員さんに優しくされてじーんとしたこともある。
このところ感染者が激減して、街を歩く人も目に見えて増えた。無観客や配信で頑張っていたライブも、少しずつお客さんを入れて行うようになってきている。
それは喜ばしいことなのだけど、このまま全てが元に戻ってしまうのだろうか、と不安にもなる。
この二年で交友関係もガラッと変わったし、家での過ごし方もうまくなった。お盆やお正月の帰省といった、今まで当たり前だと思っていた習慣を見直す機会にもなった。
叶わない願いだとは思うけれど、これからは「人それぞれ」を許容する方向で、元の社会に戻っていってほしい。誰かと過ごしたい人はそれぞれ一緒にいればいいし、そうでない人は一人で趣味に没頭すればいい。
もちろん、学校の遠足や運動会なんかの行事は復活が待ち望まれるし、みんなで談笑しながら食べられる給食に戻ってほしい。一番被害を受けているのはきっと、思い出を作ることを制限されている子供たちだろうから。
でもそれ以外の大人たちは、それぞれが好きなように過ごせる社会になってほしいなと。ひきこもりゲーマーである私は思うのでした。おしまい。
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