結婚したい理由
当時テレビCMで流れ、一世を風靡したゼクシィさんのキャッチコピー。目にしたのはもう何年も前になるけれど、ぐっと心を掴まれたのを覚えています。
今年26歳になった私は、「結婚」を真剣に考えていました。
「まだ26歳でしょ。」
「まだまだ遊んだ方がいいよ!」
「男は30過ぎてから考え始めるのが一般的じゃない?」
自分が、どうして「今」結婚したいのか。しっかり見つめ直して、言葉を紡いでいきたいと思います。
自分のこれまでの26年間をふり返ってみます。
私は、一人っ子でした。家族、親戚、周りの人からたくさんの愛情を注がれて、自分の選択を我慢することなく尊重してもらい、自由に、真っ直ぐに道を歩いて生きてくることができました。
本当に、幸せだと思います。ただ、愛情を感じる瞬間が多いほど、
「周りの人に心配をかけたくない。迷惑をかけたくない。」
そんな気持ちも大きく、嫌なこと、不安なこと、弱音、愚痴は自分の中に溜め込み、自分と対話して、一人で消化してきたことも多かったように思います。両親よりも近くに、兄弟という存在があったら。もう少し違う方法でストレスマネジメントをしたり、自分を一番に優先したりする生き方をしていたかもしれません。
愛されているのに、心のどこかでは少しさみしくて。本音はいつも、少しオブラートに包んで話していた気がします。
愛しているからこそ、そこには気遣いが生まれて、何となく言葉にするのも恥ずかしいことが増えていく。家族ならではの、決して負の現象ではありませんが、そんな家庭生活を送ってきました。
大学生活になると、さらに自分の中の孤独と向き合う時間が増えます。いよいよ、自分の中で、自分だけで消化することに限界がやってくるのです。
受け身で待っていても、決して自分の思う方向に物事が進むことはなく、言葉にしないと、誰からも助けてもらえないことを知ります。
コロナ禍のような、突如予想もできないような出来事に当たり前を奪われ、当たり前に自分の思っている未来が、未来の方から歩いてきてくれることもないことを突きつけられます。
人は一人では生きていけないから。一番近い距離で、不安でしょうがない未来を一緒に考えて、お互いに本音の言葉を交わせて、生涯を閉じる時に隣にいてくれる人を見つけたい。
「孤独」と色んな形で、色んな状況で向き合ってきたからこそ、「結婚したい」と思うのだと思います。
社会人になってから、あんなにも転がっているように思えた出会いの少なさと、時間の尊さに気付かされます。責任のある仕事を毎日こなす中で、「誰かに支えてもらえたら、幸せだなぁ。」とか、「休みの日に好きな人と会える約束があったら、平日の仕事頑張れるなぁ。」とか。
でも、思っているだけで。少しも行動を起こさないままでいると、本当に時間はあっという間に過ぎていきました。やることがたくさんあって、休日ですら仕事をしたり。与えることに幸せを感じるからこそ、続けられているこの仕事。気づけば4年目を迎えている自分は、20代なんてあっという間に過ごし終えてしまう気がしていました。
そんな気付きを自分で理解しながらも、行動に移せないままモジモジしていた今年の3月。人生で初めて結婚式に呼んでいただきました。2つ年上の職場の先輩です。アクティブで軽快に仕事をこなし、プライベートも充実している先輩のことを、「かっこいいなぁ。」といつも思っていました。その、「かっこいいなぁ。」の気持ちが、何倍にも膨れ上がったのが、結婚式での先輩の姿でした。
大切な人を守る覚悟を堂々と宣言し、守るべきものを守ることに、幸せを感じている先輩。男として、惹かれました。
とにかく自信が持てるように、自分磨きを精一杯しながら、周りの人に自分の気持ちを言葉にして伝え、できることをどんどん行動に移していきました。
幸いなことに、高校時代の先輩や、大学時代の友達が続々と結婚を決めていったことにも後押しされ、自分の行動力は力をつけて加速していきました。
そんな中での、運命の出会い。
これまでの経験からくる、「直感」で感じ取ったものを、「確信」に変えるのに、時間はかかりませんでした。
たくさんの本を読んで、たくさんの人との関わりを通して定まった自分の価値観を、パズルのピースがぴったりとはまるように受け入れてくれる人。
未来を一緒に、真剣に考えてくれる人。ありのままの言葉を、そのまま伝えられる人。目を見て伝え返してくれる人。自分の軸がある人。責任感がある人。計画力があって、着実な人。美味しくご飯を食べる人。家族想いな人。本を読む人。選択肢を一つと決めず、色んな価値観を持っている人。可愛いくて美人な人。愛おしい人。優しい人。誰にも渡したくないなと思う人。与えたい人。与えられたい人。自分が幸せにしたいと思う人。
彼女に、「出会えたから」結婚したいんだ。
他の誰でもない。「彼女に出会えたから」結婚したいんだ。
整理できた気がします。
孤独と色んな形で向き合ってきた中で、自分は一番近い距離で側にいてくれる人の存在を切実に求めていたこと。
出会いの少なさと時間の尊さを身をもって感じる中で、「他の誰でもない彼女」に出会えたこと。
会うたびに惹かれ、大きくなっていく恋愛の気持ち。愛の形が変わっていっても、どんな壁が現れても、気持ちを言葉にして交わして。自分の足でしっかりと立ちながらも背中は支え合って、一緒に生きていきたい。
結婚をスタートに始まる未来を考えることが、今まで生きてきた中で一番幸せです。
「今が。」「今が一番幸せ。」この言葉を、ずっと言い続けていきたいです。何年先の未来でも。
26歳の自分が、どうして今結婚したいと思うのか。そんなお話でした。
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