見出し画像

こんな子いませんか? 先生の指示に従わないへの対応

1 どうして指示に従わないのか?

大きく2つの原因がある。

① 指示自体を受け入れられない。
② 指示を発する人を受け入れられない。


 
①について

 例えば、

1年生の子に「逆立ちしなさい!!」と
言ってもできるわけがない。


よって、指示には従えないという意味である。
これは極端な例だが、

漢字練習を学校でしていないのに、
「漢字テスト頑張れ!!」や、

算数の教科書問題を宿題にしておいて、
「筆算できるようなれ!!」


と言った指示も同様だと心得たい。

 

②について

教師の信頼不足


が原因である。

あの先生の言うことは聞くが、
こっちの先生の言うことは聞かないというのは、
信頼関係があるかないかの違いである。
(もちろん、信頼でなく、
恐怖で従わせるという人もいる。)


 信頼不足に3つのレベルがあると私は考えている。



2 信頼不足のレベル
 

レベル1
教師が「なめられている」から受け入れられない。


 

キーワードは

統率


である。統率するから指示に従うようになる。

統率させることは、とても幅が広い指導が必要である。
ここでは、指示にしぼっての統率のみ言及する。


例えば、

「え~。めんどくせぇ。こんなのやるの?」

と子供が言ったとする。

このような教師を試す言葉がでるのは、
危険信号である。ほっておくと必ずなめられてしまう。

このような場合は、

正しい行為を3回繰り返せば良い。


次のような感じだ。 

「A君やります!』


それでもやなければ、もう一度繰り返す。


「A君やります!」


それでもやらないなら、

その子のところに近づいていき、語気を強めて


「A君やります!!」



3回繰り返せば、
大抵の子はやるようになる!!


怒鳴る必要はない。
力強くきっぱりと言い切れば良い。やるべきことはやる。
当たり前のことを伝えるのである。

  

レベル2 
教師が「きずつけている」から受け入れられない。

 

 例えば、次の事例で考えてみる。


・ A君が給食のおかわりじゃんけんで負けて、

  B君をたたいてしまった。


・A君は「後出しするな!!」とキレてB君を

 殴り続けている。


・B君は泣いてうずくまっている。


・それを見た先生が、A君を怒鳴りちらした!! 



子供を傷つけているのは、

先生の怒鳴り散らす行為


である。


A君はパニックになっている。
また、A君は発達障害の可能性がある。

怒鳴っても意味がない場合もある。

さらにいうと、
怒鳴るから指示に従わなくなっていくこともある


教師の日常の積み重ねが、

指示に従わない子を生み出してしまっているのである。

 

 
では、この場合
教師は
どのような対応をとれば良いのだろうか?

キーワードは

共感


である。

共感するから指示に従がうようになる。

今回のケースなら、

 じゃんけんに負けてくやしいことに共感する。

 後出しだと思ったことに共感する。

 思わず手が出てしまったことに共感する。


 
あくまで、共感するだけである。
肯定するわけではない。

A君が落ち着いた後、

「手を出す行為はどんなに腹が立ってもダメ」
「あやまる行為でB君とより仲良くなれること」


など、正しい行為を教えていく。


 

レベル3 

教師がためされているから受け入れられない。


 
キーワードは

愛情


である。

愛情をそそぐから指示に従うようになる。

ある年に担任したA君。
引きつぎでは

「やる気がない。ネガティブ発言をくり返す。」


とあった。事実そうだった。

学級を統率し、
A君に共感して

接するように心がけた。

しかし、A君は時おり、
私の指示に従わないことがあった。


「めんどくさい。」
「やりたくなーい」という具合である。



もちろん、前学年の時に比べれば、
格段に良くなっている。

それでも、
A君は指示に従わないことがあるのも事実だった。

きっと、A君に対してどこか、

「どうせダメだ。」や「A君はそういう子だ。」


という思いがあったのだ。

そう思えたのは、

私が、
クラス全員の子に愛情をそそぐと決めて

実際に取り組んだことで
A君が確実に変わったからである。


 
当時、私が書いたレポートにはこう書いてある。


私は生き方を変えました。 
24時間365日笑顔でいると決めました。
子供の太陽になると決めました。

得たい結果に対してふさわしい原因を
作る努力をすると決めました。


それ以降、一切大声を出して叱ることを、やめました。

不機嫌でいることもありません。
つねに元気、笑顔でいます。


A君に対してもそうです。


分からない問題があれば、答えを教えました。
文章を書けなければ、お手本を書いてあげました。

宿題をやってこなくても、
「次頑張ろうな。」だけ言いつづけました。


不思議なことに、


答えを教えると、自分で頑張るようになりました。
お手本を書くと、次は自分で書くようになりました。
宿題も、3日に1回はやってくるようになりました。




A君は本当に変わった。
わずか3ヶ月弱の出来事である。

もちろん、これまでの指導の積み重ねもある。
しかし、

愛情を注ぎ続けることで変わる


のもまた事実である。

いいなと思ったら応援しよう!