【黄金の三日間シリーズ⑨】給食指導!公平かつ快適に給食を食べるには?
給食指導のポイントは、
次の3つ。
1 無理させないこと
2 公平であること
3 楽しいこと
1.無理させないこと
人の生理に関わることは無理させない。
食べる量の調整をしてあげる。
「量が多い子は減らす」そのかわり、
「お皿にある分は食べる」ようにする。
また、ある程度減らしのルールをクラスで
決めておくと良い。
(例 スープは半分は食べる
2個あるうちの1個は食べるなど)
ただし、
子どもによって差があるので、
臨機応変に個別に対応していくことも大切。
2.公平であること
公平であるためには、大原則がある。
それは、
教師が仕切る
ということ。
では、
やってはいけないことはなにか。
それは、
子どもにまかせる
ということだ。
子どもにまかせるとは、
指導もせずに、
おかわりを子どもにさせたり、
子ども同士でデザートの
やりとりをさせたりする
こと。
こういったことをすると、
弱肉強食が生まれる。
トラブルのもとになる。
食べ物の恨みは恐ろしいのである。
*ただし、教師が仕切り方を教え、
徐々に子供におかわりを任せていく
やり方はあり得る。
それでは、
給食をどのようにして教師が仕切っていくのか。
次の場合はどうだろうか?
スープ
牛乳2箱
麺2個
餃子6個
ヨーグルト2個
が残っていたとする
配膳が終わったあとが
教師の本当の仕事である。
次のように仕切る。
(1)
減らしたいものをもってこさせる。
(嫌いなものでも一口だけは
食べるように言う。)
(2)
おかわりをする。
おかわりのルールは、
① 1度だけ手をあげることができる
② 希望者が多いときはじゃんけん
③ 負けたからといって、
二度三度手をあげてはいけない
とする。
(3)
おかわりは、汁物から。
(4)
汁物は、ほんのちょっとだけ残しておく。
(5)
牛乳→麺→餃子→ヨーグルトの順で
おかわりを聞く
(原則として、
人気のあるものは、最後にもってくる)
(6)
希望者が多かったものは、
教師とじゃんけんをする。
(ずるをしないように
班の子に確認してもらう)
(7)
残したスープは、
食べ終わった人からおかわりして良いことにする。
(おかわりじゃんけんで負けた
やんちゃ君を満足させるため)
3.楽しいこと
やはり、何でも楽しいほうが良い。
給食とて楽しいほうがいいに決まっている。
何も大げさなことをする必要はない。
教師がほんのちょっと演出すれば楽しくなる。
(1)おかわりの裏技
時間と心にゆとりがある方にはおすすめである。
簡単にいえば、ありとあらゆるものを
おかわりさせるということだ。
① かすもの
餃子のかす、
肉のかす、
からあげのかすといった、
かすものは、
子どもたちに大人気である。
② スプーン
ヨーグルトや
ゼリーのスプーン。
これも大人気だ。
(2)食器の片付けさせ方
食器と食器を示して、
「等号にしなさい」これだけいう。
ときどき、教師がチェックして、
「不等号です!!やり直します。」
などという。
楽しく片付け指導ができる。
4.給食の仕組み
まず、給食準備の時間を
守らせることが大切である。
例えば
12時15分に4校時が終了するとする。
この場合12時30分配膳完了し、
いただきますをする。
給食準備の時間はおよそ15分間である。
15分で配膳が完了するためには、
どうすればよいか。
それは、
食器をとりにいくまでの準備を
早くさせることだ。
次のことをする。
(1) 趣意説明
給食時間は、
12時15分から13時までです。
45分間です。
後片付けは、クラスでの片づけが5分、
食器を返しにいくのが5分かかります。
すると、12時50分には、
ごちそうさまをしないといけなくなります。
ところで皆さん、
食べる時間はどれくらいあったほうがいいですか。
(15~20分くらいと答えるだろう)
20分くらいあったほうがいいですよね。
そうすると、
12時30分には「いただきます」 を
しないといけません。
残った15分間で、
着替えや準備をしなくてはいけないんですね。
給食当番がおしゃべりをして
だらだら着替えたり、
準備をしていたら皆さんの食べる時間を
奪ってしまうことになりますね。
だから、早くする必要があるのです。
ポイントは、時間の目安を示すこと、
準備が遅くなると全員の食べる時間を
奪っていることを意識させることである。
(2) 白衣は、廊下におく
給食当番をすぐ廊下に出して、
着替えることのみ集中させる。
(3) 白衣はかぶらせる
ボタン一つひとつ止めていると時間がかかる。
次は、
後片付けの準備を守らせる。
12時50分にごちそうさまをする。
13時には掃除(昼休み)となる。
約10分間で後片付けをする。
それでは、
10分間で片付けるにはどうすればいいのか。
次のことをする。
(1) 趣意説明
後片付けを速くするのは、
誰のためにやるか知っていますか?
(自分のため
クラスのみんなのためと答えるだろう)
そうですね。
でもそれだけではないのです。
実は、
給食調理員さんのためにも速く片付けるのです。
考えてみてください。
あなたたちが、
ふさげたりおしゃべりをしていて
食器を返すのが遅くなったら、
その分だけ、
その食器を洗うのが遅くなるんですよ。
洗うのが遅くなった分だけ、
調理員さんの休憩が短くなってしまうかも
しれないよね。
だから、早く、後片付けをするんです。
ポイントは、
誰のために早く後片付けをするか
ということだ。
もちろん、
「自分のため」
「クラスのため」ということ
を意識させる。
しかしそれだけではなく、
給食調理員さんにも
迷惑をかけてしまうということも
伝えておく。
(2)
給食当番がまだ食べている子の
食器をもらいにいく
(3)
早く片付けが終われば、
ほんのちょっとだけ早く昼休みにする
*給食の準備・片付け表です!!
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【黄金の三日間シリーズ⑨】
給食指導!公平かつ快適に給食を食べるには?
先行実践・参考文献
崩壊しない学級はここが違う
中学年 渡辺喜男編著
TOSS横浜著 明治図書
給食指導のシステム作り小事典
甲本卓司編著
明治図書
教え方のプロ向山洋一全集34
ささやかな場面での子どもとのつきあい方
向山洋一著
明治図書
指導力アップ講座 第8巻
伴一孝編・藤本敬介著
明治図書