定年?いえ新人です。

私は昨年秋に60歳になった。
ココロナ禍、ひとり暮らしの親の近くに住む事を決め、59歳の春、仕事を辞め、故郷に帰ってきた。
仕事はすぐに見つかると軽く考えていたけど、甘かった。夏前には、秋までには、そう言いながら、とうとう1年、無職のまま。
48歳、専業主婦から離婚し、介護の仕事に就いた。そこからはシングルでの子育て。仕事は楽しかったけど、生活のため。
蓄えはなく、生きていくだけで必死。
子どもが独り立ちするのを機に、やっと58歳で社会福祉士の資格をとって、やりたかったと思える仕事に、初めて就くことができた。
だけど、入退院を繰り返すようになった母、コロナ禍、県外だと会うこともできない。やはり、せめて近くにいてあげたいと思い、仕事を辞める決意をした。
地元でも、仕事はあると、安易に思って。
これからは自分の人生。好きな事をして、楽しく生きたい。と思っていたけど、社会は60歳にの新人には厳しかった。
もっと若い人でも就職は厳しいと聞くと、仕方ないとは思う。私が選ぶ側でも、若くて、仕事も早く、パソコンもバリバリの人を選ぶだろう。
今から35年ほど前、私たちの世代は、結婚したら仕事を辞め、専業主婦になることが、まだ当たり前の環境だった。
私はそれだけは嫌だと思っていた。結婚に憧れはなく、子どもも苦手。ずっと仕事をする人生を夢見ていた。
ところが、人生は、良くも悪くも思うようにはいかない。なんと24歳、仲間うちで、一番早く結婚した。26歳で子どもにも恵まれ、35歳の時には3人の親になっていた。
子どもは苦手と思っていたけど、自分の子どもとの時間はとても楽しくて、前の会社から声がかかり、契約社員として務め出したが、ほとんど仕事を入れず、子どもと共に幼稚園ライフを楽しんだ。
私の人生の中で、最も楽しかった時間だと言える。そんな時間を持つことができただけで、生きた意味はあると言える事は確かだろう。
ても、仕事を通しての自分の生きた手応えを感じたかった。という何か心残りがあるのも確かだ。
とは言っても、若い頃から、いまだに、私は何をしたいのか?なんで考えて、見つからない。
自分の事を中心に考えられる、自由に動ける、やっとこれから。やりたい事を見つけ、やりたい仕事がしたい。
年齢なんて関係ない。気にしない。と思っているのは自分だけか。主婦として子育てができたことに後悔はない。親の介護も。
やっとこれから好きな仕事をと思ったのが、たまたま60歳だっただけ。でも世間では定年の年齢なのだ。年金はまだもらえないけど。
人生は時間が足りないなぁ。
もう充分とも思うけどね。
まぁ、社会に逆らって、60歳の新人は新たなチャレンジをして生きて行こう!

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