毛利小五郎コメディアン論
れいゆ大學④⓪ 毛利小五郎コメディアン論
熱心な日本共産党支持者である納谷悟朗が「ルパン三世」で銭形警部という国家権力のはぐれ者を演じていた。そうしたメタフィクション的な面白さも、いまとなっては情緒的に感じられるのである。
かつて吹き替えの黎明時代、それは舞台役者にとって時間を拘束されずにギャラを受け取れるアルバイトであるのと同時に、本来の仕事ではないという複雑な心情もあった。役者なのに姿を見せていないという揶揄も孕んだ言い方である「アテ師」は、やがて「声優」というコケテ