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寒くて、暗くて、強い風が吹きすさぶデンマークの冬。 季節が冬へと移り変わっていくにつれて「なんだか街がつまらく感じるようになってきたな」と思っていた。なんたって、北欧の夏と秋は最高だった。 夏のデンマークは明るい陽の光とハピネスに溢れていて、誰も拒まない楽園のような空気感に溢れていた。 朝目覚める前から陽は差し、20時頃まで昼間のよう。夜にビールを飲んでてもなんだか昼飲みのような気分で、幸せな背徳感。コロナなんてうっかり忘れてしまいそうなほど。 秋、少し長くなる影。夏
魔法みたいなねむの木と、出会い、別れ夏休みで祖父母の家に行った時のこと。空き地で見つけた夢みたいにきれいな木。それがねむの木でした。 祖父母の家は山を背にして開かれた団地にあり、長い階段をずーっと登っていきます。木漏れ日のトンネルの中、息を切らしながら階段を登りきった先の空き地に、ねむの木がありました。 糸のように繊細なピンクの花をいちめんに咲かせていて、足元は、零れ落ちた花びらでできた絨毯が敷かれていました。 あざやかで、でも優しさも感じる色合いの光景。まるで魔法