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アフタースクールは君と一緒に|「五線譜より始まる物語」Vol.04

1.はしがき

 「秋の始まり」って、皆さんはどんな時に感じるだろうか。乃木坂46の「逃げ水」という曲に「半袖を着た女はカーディガンをいつ肩に羽織るのか?」という歌詞があるが、やはり世の人々が長袖を着始めたときだろうか。それとも、涼しくなってきたときだろうか。

 わたしの場合、それは毎年体育祭が終わった頃、つまり、残暑も少し和らいで、冷たい風が吹き始めたなと感じ始めたくらいの頃合いに感じることが多い。なんとなく、そんな感じがするじゃない。夏って、どうしようもないくらい温い風が吹いてきて、逆に「風なんか吹かなくていい」と思ってしまうこともあるものだけど、少し冷たい風は、「これをわたしは求めてたんだ!」って、「わっ!」と湧いてくる感情があるんだよね。

 まあ、そんなこんなで、もうすっかり「夏の終わり」や「秋の始まり」どころか「秋の半ば」のような雰囲気も感じてしまう時期がやってきたわけだけど、わたし、この季節が一年の中で一番過ごしやすくて、素敵な季節だと思っていたりする。好きな季節とか、求めていた季節はまた別にあるのだが、あくまでも一番素敵な季節という括りで考えてみると、夏も終わり、秋が始まって、どんどん桜がオレンジ色に染まっていく。それをノンビリと見守るこの季節が一年の中で一番趣があって、素敵な季節なんじゃないかなとわたしは思うんだ。

 こういう季節は、公園に行って、芝生に寝転びながら本でも読みたいよね。ピクニック用のレジャーシートと、シンプルなサンドイッチでも持ってさ。

2.今回の一曲

Something in her style that shows me

THE BEATLES「Something」より

 今回の一曲は、ビートルズの「サムシング」。

 というより、今回の一枚と言った方がいいのかもしれない。少しでも洋楽を齧ったことがある方なら、知らない人はいないといっても過言ではないアルバム「Abbey Road」からの選曲である。

 興味のある方が和訳を読んでみたらいいと思うが、歌詞だけ読むと何の変哲もないラブソングである。ほんとに、ベタベタのラブソング。でも、こういう恋とか愛とか、本当に素敵だと思う。わたし、音楽の中では一番ラブソングというか、ポップソングが好き。とか言いながら、ビートルズの楽曲の中では「Come Together」が一番好きだったりするのが、この際これは一度置いておこう。

 少し前までは、街で歩くカップルを見ると「浮かれてるな...」と思ったりしていた。いわゆる嫉妬のような感情に苛まれたのは一度や二度じゃない。でも、一回本気で恋をしてみると、その嫉妬のような感情って百八十度反転する。この感情を抱いたことがある人は、わたしだけじゃないかもしれない。今は街で歩く恋人達を見ると、「頑張れ」「無事恋が実りますように」って心から応援したくなる。大袈裟かもしれないけど、ちょっとだけ大人になった感じさえする。なんか、今回は楽曲というよりも「恋との向き合い方」の話になっちゃったな。

3.あとがき

 今、青春を謳歌しているティーンエイジャーたちが社会に出たとき、どんな世の中が待っているのだろう。流行の循環が異常に速くなった世の中で、どうしたら、わたしたちは時代に乗り遅れずに生きていくことが出来るのだろうか。

 もうすぐ高校を卒業し、大学で音楽を学ぼうと決意した自分にとって、近い将来のことは最も重要な懸案の一つである。考えれば考えるほど、頭の中がこんがらがってしまう。

 残り少ないモラトリアムの中で、少しでも青春を濃いものにしていけたらと強く願いながら、わたしは今日を生きているのだ。

 生きていると、どうにもならないことだってある。それでも、なるべく前向きでありたい。これは今の自分のちょっとした目標かもしれない。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 いただいたサポートは取材や創作活動に役立てていきますので、よろしくお願いいたします……!!