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「ロマンチックのサイズ」
“男の子が女の子にキスをする時、まるで世界旅行をした気分になるのさ”
という歌詞の歌がある。
素敵なフレンチキスを連想させるこの歌詞を、
僕はとてもロマンチックな表現だと感じる。
もし濃厚なディープキッスを連想された人がいるならば、
その人は物事のサイズ、というものを気にした方がよいだろう。
思わず、色んなカップルのキスシーンを目撃することがある。
大抵は道の端っことかビルの陰なので、
邪魔にならないし、迷惑に思ったことはない。
どちらかというと、微笑ましい印象を受ける。
これが電車の中だと、印象がよくない。
少なくとも、独身男性には迷惑なのだ。
これはサイズの問題で、大きな愛のあるキスを、
街は受け入れる事が出来るのだけれども、
電車の中ではこぼれてしまうのだ。
いや、わかってますよ、そりゃまぁ。
どこで何しようが人の勝手なんだけれども…。
そもそも恋愛なんて、当事者の二人さえ納得していれば、
どんな形態でも良いのだから。
人の目ばかり気にするようでは、とうてい世界旅行へは行けない。
「カイロの紫のバラ」や「世界中がアイ・ラブ・ユー」等、
恋愛にまつわる名作を手がけた映画監督・コメディアンの、
ウディ・アレン氏が言っていた。
恋愛と食べ物の好みは、つまるところ同じだそうだ。
他人から見て、それがどんなにゲテモノ料理でも、
本人が美味しいと感じて楽しめれば、それで良いのだ。
誰に迷惑をかける訳ではないのだから…。
とはいえ、電車の中でキスをしているカップルはあまり好きじゃない。
少しは人の目を意識すればいいのに、と思う。
きっと、ロマンチックのサイズに問題があるのだ。
そういう人たちは、どうにも我慢できなかったのだろうか?
それとも、人から見られた方が興奮するのだろうか?
各駅停車の電車の中でキスをするセンスが信じられない。
どうせするなら、もっとすばやく、“快速求口”でお願いしたいものだ。
[ 2007年6月9日(土) ]