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「りんごのご」

その昔、アダムとイブは禁断の木の実を食べてしまった。
旧約聖書によるとこれが人類の始まりとされている。
男と女を分けて創った時点で、いわゆる神様というのは二元論者だといえる。

アダムとイブしかり、神や法や規則といった“秩序”を破る事が、
根源的な人間性なのかもしれない。
いつの時代も不倫や戦争が絶えないのはその良い例だろう。
一方では、人間には理性があるから他の動物とは違うという考え方もある。
では、禁断の木の実を食べない事こそが人間らしさだったんじゃないか?

人類史上、最初にして永遠の問題。
ルールを守る事が理性なら、アダムとイブは人間的というよりも、
むしろ動物的に行動をとった事になる。
人間の本質への問いかけは真っ二つに分けられる。

こんな話をある人にしたところ、
「それは荀子の“人間の本来の性質は悪である”とする性悪説と、
孟子の“人間の本来の性質は善である”とする性善説に当てはまりますよ。」
と、教えてくれた。

大きく二つに分けるのは西洋的な発想だとばかり思っていたので、
東洋的な二元論は面白いのだけれどどうも腑に落ちない。
なぜなら、男と女、善と悪、+と-、陰と陽、これらすべては、
所詮、0と1の信号にしか置き換えられない、デジタルな考え方だ。
世界って、もっとアナログだからな。

そもそもアダムとイブの2人共がリンゴを食べたというのが怪しい。
人間の性質が2パターンあるということは、
どちらか一人だけしかリンゴを食べなかったんじゃないだろうか?

アダムの方だけがリンゴを丸かじりしたところ、歯茎から血は出るわ喉にリンゴは詰まるわ…。
さすがにイブは女らしくってアップル・パイにして食べようと考えた。
キッチンでエプロン姿のイブを見て、すでに禁断の木の実を食べて発情していたアダムは、
イブに後ろからムリヤリR指定なことを~っ!!!

この出来事はのちに、郷ひろみと樹木希林の「リンゴ殺人事件」へと発展する。(…らしい。)


なごみの手帖 2007年4月14日(土) HP更新

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