「季節の色彩」
なんとなく季節の話が出来る人って、大人だなぁと思う。
「もうすっかり秋めいて来ましたね。」
などと、さり気なく話題に取り込める感じが素晴らしい。
会話の間を埋める為に季節のことを喋る人がいる。
あまり気心が知れてない関係の時によくある。
世間話の常套句なんだけれど、大人な感じとは違う。
まともに世間話の出来ない僕が言うのもなんなんだけれども。
季節という趣のある話題なのだから、さり気なく気が利いている感じが欲しい。
つまりボッサな感覚ですよ、Bossa!
思い起こせば僕は子供の頃から春や夏が好きだった。
なのに、ついに秋や冬が好きだと言ってしまった。
ずっと太陽がくれた季節が好きだったけれど、最近どうも違和感を感じていた。
秋の寂しい感じが嫌な人もいるのだろうが、
僕はその切ない感じが好きというか何というか。
雨上がりの空よりも、これから降りだしそうな曇り空の方が心地良かったりする。
青春という言葉に代表されるように、人生の段階を季節と色で表すことが出来る。
いつか読んだ漢文に‘青春、朱夏、白秋、玄冬’という様に書いてあった。
朱は赤、玄とは黒いという意味だ。
世間一般では、とかく青春ばかりもてはやされる感があるけれど、
それぞれの年代が魅力的なものに見えるから、本当に良く出来ていると思う。
#なごみの手帖 【2005/10/15 HP更新】