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「録音のこと」

念願かなって天井の高い広い場所で録音することが出来た。
以前にTV局のスタジオで録音する機会があって、それがとても良い感じだった。

野外じゃなくって、思いつく限り天井が高くって広い場所。
それはコンサート仕様の大ホールである。
今回は1000人クラスの大ホールを借り切っての録音。

無人の大ホールでガットギターを爪弾く。
ものすごく鳴る。
音が自分の手元から飛んでって、正面奥の入口で跳ね返って広がった!
Gatta Gatta!!
なるほどクラシックのコンサートが成立する訳だ。
生音で演奏するための構造になっているんだなぁと実感する。
そしてコンサートホールといえばグランドピアノ。
もう生音にこだわる今回の録音には申し分が無い。

レコード芸術という言葉があるように、ライブと録音物は違う。
レコーディングをライブ活動のその時点での‘いち記録’と思ってる人も多いとは思うけれど。
タイトルやジャケットデザイン、文字情報、選曲、演奏内容、音、編集、etc…。
すべての絵柄を俯瞰(ふかん)したときに、アルバムコンセプトに対して意味をなしていないといけない。
持論にすぎないけれど、きっと別物なんだ。
いや、本当は自分の中では一緒のことなんだけれど、ここは独り言として。

ちゃんこ鍋や寄せ鍋みたいに、牛肉、豚肉、鳥肉とか魚を一緒に入れて、
しかも味噌味で食べる、ごちゃ混ぜ的な大味の美味しさと、
てっちりやしゃぶしゃぶみたいに、素材の味が濁らないように、
整理した美味しさがあるように。
または毎日食べる家庭料理のように、体のことを考えた飽きの来ない味付けがあるように。

どうも御託を並べてしまって申し訳ない。
つまり、ライブはちゃんこ鍋でCDはてっちりということになる。
どっちにしろ鍋なんだけれども、どちらもほっこりと温まるということで。

#なごみの手帖  【2005/11/19 HP更新】


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