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ビール屋さん🍺のバイトで1番やりがいを感じた瞬間


学生時代、ベルギービールのお店でバイトをしていたことがあった。

ポジションはキッチン。

当時、ビールについてもっと知りたかった私は、まかないで勤務後にビールが一杯飲めるというところに惹かれ、毎日違うビール飲んで勉強するぞ!みたいな意気込みで決めた。

キッチンをやることになった理由はすごくシンプルだった。

そのお店は二階建て。Googleマップで調べてはいたけど、想像以上の急傾斜。

面接は二階だった。

その階段を登りきった瞬間、わたしはホールというポジションから逃げることを決めた。

面接が始まった。ポジション希望を問われると、あたかも事前に決めていたかのように、キッチンやってみたいです!と言った。(階段を避けたくて、、、なんて言えない。

そして、わたしはキッチンポジションになった。


時は流れる。


ある日、お誕生日をお祝いする夫婦がお店にいらっしゃった。

キッチンのわたしは、バースデープレートを作ることに。

バースデープレートはほとんどやることがなく、お店にある材料や道具は限られていた。

しかし、わたしの創作意欲に火がついた。

あっと驚くプレート、喜んでもらえるプレートを作るぞ!

そして、限られた道具と時間で、プレートを完成させた。残念ながら、写真は残せていない。時間との戦いで、それどころではなかった。

なぜなら、チョコを使ったトッピングだったから。チョコを溶かさず、お客様まで届けなければいけない。

チョコでお皿に文字を書くというのは定番だけど、わたしは2Dではなく、3Dにしたいと思った。

チョコでお誕生日の方の名前を事前に書いておいて、それを冷蔵庫で少し寝かせておく。出す直前にそれを取り出して、ケーキとケーキの間に引っかけて、花火を添える。

プレート自体の制作も凝ってみたけど、これをお客さんに提供する時、嬉しいことがあった。

それは、スタッフが一丸となったこと。

バースデープレートを出す時は、花火とチョコとお客さんとのタイミング、これを揃える必要がある。

みんなそれぞれの持ち場があるにも関わらず、わたしが凝ったバースデープレートを準備したことを知って、出す時に全面協力してくれた。

あの時の高揚感、一体感、今でも本当に忘れられない、最高の瞬間だった。


そして、嬉しいことはもう一つあった。それは、店長からの言葉だった。

いつも冷静で、難しい言葉も難なく操るわたしが尊敬していた店長が、バースデープレートを出し終わった時に、

「度肝を抜かれたなぁ〜。いやぁ、あれは本当にすごかったわ。」

と褒めてくれた。感覚的に、5回くらい繰り返し言ってくれてた気がする。本当に驚いていたようだった。普段口数が少なめの店長があんなに驚いていて、褒めてくれたことが何より嬉しかった。

そして、お誕生日だったお客さんも、あまりの嬉しさにその後、わたしを読んでお礼を言ってくれた。

あまり記憶にないが、その時隣にいた店長に何か言われたか、わたしが言ったか、お客さんになにか言われたかで嬉しくて泣いた記憶がある。

いまだに何度もこのシーンを思い出す。

みんなが笑っていた瞬間。
自分がバイトでやりがいを感じた瞬間。
自分の好きや得意が活かせた瞬間。
嬉しくて、感動して、涙が出た瞬間。



この体験をいつか仕事にしたいと思っている。


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