【遊】だけで終わらせるな
読み終わって最後のページ。
2023年7月15日に発行された本なのに、手にしているのは8月20日の三刷だと知る。
為末大さん、すげー。である。
私にとっては現役時代の走っている姿を知るアスリートであり、引退されてからのご活躍はなんとなく知っている、というひと。
熟達論という本のレビューをノートで書いている人がいて、気になって購入。読書記録であるその人のレビューを読んだ時、かっちり分類されたHOWTOにも近い内容を想像していた。
が、想像よりずっとストーリーのある本だった。
熟達するために、成長段階を5つに分けて考え説明する。しかしながら、その段階は行き来する。
そこに個人のストーリーが乗ってくる。成長段階の説明が、【遊】から始まるのは、運動を主とするアスリートならでは。そう思いながら読み始めたのに、空の青さやただひたすらに絵を描くことや、何かを叩いて音を鳴らすこと。どんな分野も好奇心の【遊】から始まっているのに「学ぶ」という段階から考えてしまうから、運動だけ特別に感じてしまっていたんだ、と気づく。
幼稚園の時には、自分の持ち物に書かれているひらがなと書類に書かれる文字の違いに気づいて、“悠”というパズルを気に入ってちらしの裏に何度も書いたし、アスファルトとコンクリートの熱さが違うのはなんでだろう?と勝手な仮説を立てたりしていたじゃないか。
誰かに聞いても答えてもらえないから、再放送で流れるサスペンスドラマよろしく“推理”して遊んでいたじゃないか。
あぁ、確かにあの時の私が成長して今の私だ。
子どもたちに、“とりあえず”やり方を教えることに意味がないと思ってきたけど、【遊】の後の型を覚えさせるところまではうまく誘導しながら提供する必要があったのかもしれない、と今更反省。
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