ただいま腹を立てています。
私、ただいま怒っております。
原因はこのニュース。
サービスに対する高額ローンは組まないで
脱毛をするエステサロンで高額のローン契約を迫られたり、倒産してしまい、ローンだけが残るトラブルが起こっているというニュースがありました。記事を読んでいると起こったのは昨年2022年のことのようですが、相談件数が増えていることがわかります。
平成初期にあったローントラブル
平成初期、私がまだ学生〜働き初めの頃の話です。
エステサロンや英会話教室などで高額ローン契約。サービスが当たり前に続くもの、と思って消費者はローンを組みます。
ですが、倒産してしまい、サービスを受けられないままローンを払い続けるという被害が相次ぎました。
中には、健全に経営をしていたが、最初にローンを組んでもらい、その時にしか売り上げが発生しないために、常連さんで埋まってしまったことで、経営が苦しくなるという事例もありました。
けれど、実は、最初からそのつもりでエステサロンを各地で立ち上げ、数回はきちんと施術し、ローンをクーリングオフされないようにした上で、荒稼ぎをして、倒産してしまうという悪質なサロンもありました。
英会話に関しては大手だったために被害が大きく、戦慄したものです。
少数回の回数券や都度払いが増えた印象
こうした事件が大々的に取り上げられるようになって、エステは怖い、ローンは怖い、というイメージが広がり、苦境に立たされたサロンや業者も多かったと思います。
しっかりと調べたわけではないので、イメージでしかないですが、広告などを見ると、真っ当に都度払いや、少数回の回数券、チケット制が増えたような記憶があります。
個人的には、このチケット制にも考えるところがあるのですが、1回きりより得になる場合が多く、お客様にとってもメリットがあるのを考えると、完全に否定することはできないですね。
2〜3か月で使い切るようなチケットならまだ安心感があるかなと思います。
想像してください。
コーヒーチケット10枚の価格に11枚ついていて、1か月の間使える。これならこの店のサービスを受け取れそうです。
逆に脱毛。
体は同じ場所は4週間に1回しか受けられない。ヒゲ脱毛なら2週間に1回。
とは言え、ここで10回チケットを買うと1回全身3万円が25万円で買えますという場合。
これはネットで検索して本当にあった内容ですが、10か月後もこのお店はあるかどうか、と考える。
今回の倒産したサロンとは違いますが、他の大手メンズ脱毛店では、60回ローンのお知らせがありました。毎月支払って5年分です。
5年後もこのサロンはあるでしょうか。
どちらかと言えばまだ10か月後の方が可能性が高そうだなと感じます。とは言え、25万をクレジットカードで支払うわけです。
都度払い3万円と比べて、ハードルが高いと私は感じます。
それでも、なぜこのやり方が大手脱毛サロンでも、多いのか。
そもそもなぜローン?チケット?
なぜ、サロンはローンを組ませようとするのか。10回チケットなどを買わせようとするのか。
真っ当に商売をしている場合の話ですが、2つ理由があります。
1つ目は、初期費用が大きいからです。
脱毛器は確かに高い。効果のあるものを購入すれば、初期費用がかさみます。
それを早く回収したいという気持ちが、大型契約を最初に取り付けたいという気持ちを生んでいると考えています。
例えば、私が採用した脱毛器、400万円。
1人60万円のローンを組む場合(サロンに入る分。お客様はローンの手数料をプラスでローン会社に支払う)。
7人いればなんとか脱毛器代は元が取れます。
もちろん他にもリフォーム代金などあるでしょうから次月もその次もと大型契約が欲しいわけです。
都度払いの場合、1人が3万円支払となると、134回の支払いが必要になります。
12名の方が毎月必ずリスケもせずに通い続けてくれれば1年で脱毛器代だけは元がとれることになります。それでも初期費用の融資を返していくにあたり、不安はあります。
(さらに定期的に人がくればその分メンテナンスが必要になります)
2つ目の理由が、途中でやめられないように囲い込むという気持ち。
どんなに良い接客を目指し効果のある脱毛器を使っていても、都度払いであれば、効果を実感する3回目。さらにほぼ違いがわかる6回を体験する前に辞めてしまう場合は多いです。
実は私のサロンも、試行錯誤しています。
料金が高いわけでなく、接客も良かった。通い続けたいと言ってくれ、次回予約も取って帰ってくれた。
そんな方が、3回目をコロナ禍や急な仕事でキャンセルしたあと、一向に次の予約をとってくれることがない、ということが多々あります。
10回チケットがあれば、もったいないので通おうとなるわけです。
同じような囲い込みの方法で、サブスクのシステムのお店もあります。
1ヶ月脱毛受け放題で5500円、という感じ。
(3980円のところもネットで見つけました!)
(最初の6か月は契約解除できない、などの条件がある)
基本的に同じ場所は1か月に1回しか受けれないので、さまざまな箇所を同じ日に受けるか、月に何度も通うかという使い方になると思います。予約が埋まってくると、なかなか1日で全身が受けられなくなることもありそうですが、下半身だけでも5500円なら安いと感じます。
サブスクシステムの良さとしては、安いので広告がうまくいけば、お客様が増えます。増えたら、予約時間の隙間がなくなるので全身をするような時間が取れなくなります。その後、支店を出した時に予約が埋まりやすくなります。
そして来れない場合も自動的にサロンへはお金が入ることも、サロンの売り上げを安定させるという意味では、大きいです。
こうした利益を見越しているから、一人当たりの金額を下げることができるわけです。
ただ、最初の数ヶ月で多くの契約者を獲得しないと、赤字がひたすら起こるというデメリットがあります。
なぜなら、初期費用だけでなく、脱毛の施術には1人の人が掛け持ちをせずにずっとついていますから、給与は仕事がなくても支払わなければいけません。
そのため、サブスクよりもチケット制の方がお店としては楽なわけです。
ローンはサブスクではありません。
今回検索をかけた脱毛ではないのですが、商品を買うのに最大○○回の支払いに分割できます、という文章があり、そこに「1ヶ月〇〇円サブスク感覚」という文言を見かけたことがあります。
とても、悪意を感じました。
書いてあったのは、物の購入だったため、利益(欲しいものを手に入れる)はある上での支払いの仕方ですから、目くじらを立てることではないのかもしれません。
けれどこうした文言を目にしていると、分割払いのことをサブスクに近い感覚で契約してしまう場合があるかもしれません。
ローンはサブスクではありません。
サブスクは、支払っている相手はサービス提供者ですから、倒産してしまえば、支払う必要はありません。
ローンの場合は、サービス提供者がいなくなっても、お金を借りた場所は違う会社です。ローンの会社からサービス提供者はお金を先に受け取っていますが、倒産してしまえはサービスは提供したくてもできない、という言い分が通ります。よほど契約して1ヶ月2ヶ月で倒産するなど、計画性を指摘できなければ、ローンの会社に支払い続けることになる可能性が高いです。
なので、私はサービスに対してのローンや大型チケット否定派です。
令和になっても、お客様ファーストじゃない会社
平成初期、高額ローン契約後、エステサロンが倒産してしまい、サービスを受けられないままローンを払い続けるという被害が相次ぎました。あれから30年。
今もそんな手法で仕事をしていること、被害に遭う方がいることに、腹が立ちます。
今私ができることはなんだろう
実は、今日怒っている理由は今朝見たニュースですが、昨年すでに新成人の18歳19歳の契約トラブルが急に増えていて、その多くが脱毛サロンというのが耳に入っていました。
その時から今私ができることはなんだろう、と考えていました。
結論は「都度払いのサロンがあるよ」ということをもっと広く認知してもらえるように広報すること。
何せローンもチケットも、違法でもなければ、最初にそれで初期費用が賄えたから、ゆっくりサロンを続けられるというお店もあると思うのです。
だから、私は否定派でも「絶対ダメだ」とは言えない。
であればできるのは「都度払い」のサロンがあり、選べるんですよと選択肢を提示し続けるしかないのかなと。
今日はかなり熱量が高くなりましたが、周りの方が脱毛に興味を持っていたら、シェアしてもらえるとありがたいです。
気に入っていただけたら嬉しいです。 受け取ったサポートはサロン運営、ママの居場所を作るボランティア活動、さらに私が成長するための書籍代として使わせていただきます。