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必要な人に届く発信を、という勘違いをしているかもしれない


最近、会えていない94歳の祖父のことを、noteに書いた。
いつでも思い出せる色鮮やかな時間が、花開くように、言葉になっていく。今にも、祖父がニコッと笑って「悠」と呼んでくれそうな気持ちになる。

思い出すのは、形のないもの

頭の中にはいつも体験の時間があるな、と改めて感じた。

子供の頃に行った「ステーキハウス」オードブルのスモークサーモンを食べながら、鉄板で肉を焼くシェフのパフォーマンスを見ていた。コショウを削る音が今でも聞こえる気がする。

駅で見る、回転焼きを焼くパフォーマンス。

背伸びをして鉄板に生地が流し込まれるのを見ていた。

筒を半分に切ったような長い匙に入った重そうなあんこを、計りもせずに入れていくおにいさんの手。速すぎて、もう一回やってくれないかなと待つ。素早さとは裏腹に、片方の回転焼きをもう一方に重ねるのに、そっと持つのに気づいた。何十円の回転焼きが、とても価値のある食べ物だと感じる瞬間だった。

私は物もお金も大切にする方だった。自分の持ち物は学習机に全て収まるような量だ。洋服もほんの数枚しか持っていなかったから、よく同じ格好をしていたけれど、大事に着ていた覚えがある。自分の物に執着心が強い私だが、今思い出すのは、その物じゃなく、形のない物だ。

知らないおじさまからの学び

30歳を過ぎた頃、「自分が生きてこれたのは祖父母や出会った人との思い出があったからだな」と思い始めた。

中学で始まった英語で単語はわかるものの、文章の成り立ちが全く分からず、つまづいていた。夏休み、伯父伯母のところで従兄弟の面倒を見る名目で1ヶ月過ごしていた。伯父の仕事関係の人だったのだろうか。今となっては定かではないご年配が、学生といえば、これという風に「勉強はどう?」と質問してくれた。私が「英語が苦手」と返事をすると、ご年配は英語の成り立ちについて話し始めた。


S+V
S+V+C


というような話だった。
私は慌ててミスドの手帳を取り出して書き留めた。
そうするとご年配は饒舌で色々なことを言ってくれたのだが、実はほとんど理解できていなかった。ただ、このあと私は英語が得意になる。
今考えると、この教えてくれた事ではない場面が、大きく影響していたように思う。
ご年配が伯父伯母に向かって言ったのだ。
「この子は伸びるよ。私がちょっと話し始めたら、すぐにメモを取り始めたんだ。
話を聞いてくる人はいるけど、大人でもなかなかこんなふうに熱心になるのはいない。
流さずにちゃんと自分のものにしよう、ってする姿勢が偉い」
と褒めちぎる。
私は特別なことをしたつもりはないから、照れる。
「しっかりしている」と言われることはあっても「伸びるよ」と期待されるようなことなどなかった。言葉が原動力になって、英語をポジティブに捉えるようになった。得意といっても、定期テストの域を出なかったので、大人になってからは得意でもなんでもないものになったが、やれば伸びるという体験は、今も私に影響を与え続けている。

必要な人に届くような発信を


4ヶ月前、10月から「開業サポート講座」をするぞと決めて、その講座が必要そうな人に発信が届くように、とSNSや noteの書き方を意識してみた。
その途中経過として、アクセス数は増えても、参加者が来ず流れたセミナーの山。
発信がが足りないのかもしれないと、4月18日から毎日noteを書いてみた。
全てを仕事やミッションに繋げられなくても、なんとか私の価値観や人となりが伝わる文章にならないかと模索しつつ、書き上げていく。約1ヶ月続けてみて、出てきた仮説は、「北山悠からサロン開業や経営に関して聞きたい人なんていないのではないか」ということだ。
5月は体調を崩したこともあり、落ち込みに引っ張られそうになっていた。ひとりぼっちのピエロだなぁと思いながら、感情に浸らないように事実を書き上げていく。
発信の仕方がどうといっても、自分が変えられる範囲は変えたじゃないか、これが私なんだ、という考えになる。
私の開業サポート講座が必要な人に届いてないだけ、と思うのは勘違いで、仮説は正しいのではないか、10月開講は無理かもしれない。
そんな考えに取り憑かれながら、あと3ヶ月で何ができるか考えている。

一度決めた覚悟


店長になることで売り上げが176%に伸びたのも、開業して10ヶ月で200名のお客様が来る店にしたのも、仕組みがあって、それとビジネスへの思いがあれば、誰でもできると思っている。そんなことを伝えたい。とても単純なことなのに難しい。

数ヶ月前は「これでサロンを開きたい人のサポートをして生きていくぞ」なんて思って講座を作った。
それを否定するのが怖いのだろうと思う。
否定する必要がなくなれば、それで良い。でも、できないようであれば、一旦開業サポート講座のことは置いておいて、別のことで人の役に立つことを考えなければいけない、と思いながら、これから3ヶ月、発信していくと決めた。

悩むことがあるからこそ、誰かに伝えられるようになるそう思って今回の配信にしました。悩んでいても始まらないので、もがく姿もまた、一歩進むきっかけになりますように。


気に入っていただけたら嬉しいです。 受け取ったサポートはサロン運営、ママの居場所を作るボランティア活動、さらに私が成長するための書籍代として使わせていただきます。