花束よりも小噺がいいか。
[夢見る人の望む夢の形をとって誘う、幽霊屋敷の話を一つ。]
[訪れた折の、自らの望む世界を彩る白昼夢に魅せられた人は]
[無事に帰っても、呪いが纏わりつくのです。]
[昔々に、自分は不思議な体験をしたと人には言えず]
[言ったとしても信じては貰えずに]
[時に短く、時に長く、それは魂を蝕みます。]
[あまりに酷いと、呪われた事すら忘れてしまいます。]
[或る人は、自分の力で築いた物が信じられない呪いにかかりました。]
[その人は才能に溢れ、それを他の人も認めた実力があったのに]
[誰が言っても、何を説いても届かない奥底まで、呪われた。]
[解けるのは、魅せる人との出逢いだけで、でもそれもままならない]
[自分だけでは解けない。何せ呪いが強すぎたから。]
[だから、他の人にも描いてもらう事にしたのです。]
[沢山、描いて貰えば、きっと、呪いは解ける。]
[忘れてしまっても、魂はそれを望んで身体を動かす。]
[そうしたら、少しずつ、自分でも描ける様になって来たけど]
[まだ、まだまだまだまだ呪いを解くには足りない。]
[まだ足りない本調子じゃない。]
[もっとすごい、もっともっとすごい。]
[それが見たいなら、描かせてあげないと。]
[何せ本当に強い強い呪いだったから。]
[今でも、本当にあった事だと信じているのです。]
[だから、滅多な事で口外しない。]
或る編集さんの原動力なのです。
誰かに何かを描かせたり、描いたりが大好きな。
だから、描かせてあげて下さいね。
長い長い間、解けない呪いに掛かってしまったんですから。
まだまだまだまだ、死ぬまで解けるか解けないか。
副題
オマケが本編
《最後の二次創作》
せんせーの仕事仲間に告ぐ
短期でガッと稼がせようと画策するより、乗せて乗せて描かせた方が儲かるぞ