タイポグラフィにおける文字間調整の考え方〜美しさだけでなく、読みやすさを確保するためのレタースペーシング
これは?
本と著者の今市さんのレタースペーシングのセミナー視聴して、重要だと感じた部分をメモしています。
目的
美しいレタースペーシングとは何かを知りたい
レタースペーシングの言語化し説明できるようになりたい
日本語と英語それぞれでレタースペーシングの気をつけるポイントを知りたい
レタースペーシングとは
見出しやロゴタイプに対してそれらを構成する全体の文字間が視覚均等に見えるよう調整する行為。
同じグループでも間隔が崩れると別のグループと認識してしまう。
良いスペーシングの定義とは?
見る人によって綺麗に見える感覚がスペーシングに影響がある。
トレンド
コンセプト
見る人の間隔
感覚と論理の関係性
論理は感覚を掴むための補助輪
言語化という補助輪を使うことで身体に感覚を覚えさせることができる。
互いの感覚を言葉にして共有することが大切。
スペーシングのステップ
スペーシングの3ステップ
文字の形を観察
3文字に分割して調整
全体を感覚的に確認
3つのポイントを意識してスペーシングをする。
スペーシングの視点集【基礎編】
3文字を綺麗に並べるコツ
真ん中の文字の視覚的な中心と横の文字のスペースを揃える。
自分の感覚を言語化しておくことで、一定の規格が生まれ安定した品質のきっかけとなる。
詰めすぎないためのコツ
文字にもパーソナルスペースを想像して調整しよう。
窮屈そうな文字がないかを確認しよう。
スペーシングの視点集【応用編】
効率的にスペーシングするために
難しそうな箇所から調整を始める。
黒みを揃えるコツ
文字のカウンター、レタースペーシングが揃っていると綺麗に見える。
一つのワードでなるべく黒みのムラを揃えるために数値的にスペーシングを合わせることが多い。
自分のスペーシングを遠目で見た時に黒みのムラがないか確認をする。
目の錯覚に惑わされないコツ
上が解放されている文字は少し詰めた方がいい。
窮屈に感じさせないコツ
小さい文字を大きな文字に挟むときなどは窮屈に感じやすいので気をつけよう。小さい文字は気持ちスペースを開ける方が見やすい。
読みづらさに繋がる量感的な圧迫感がないかをチェックする。
文字サイズの変化に惑わされないコツ
文字の表示サイズによってレタースペースの印象が変わる。
大きな文字と小さな文字でレタースペースは調整が必要。大きな文字は詰める、小さな文字は広くする意識で。
再調整の落とし穴として最終で
トラッキング調整する場合、再度3文字づつで確認する。
ウェイトの変化に惑わされないコツ
ウェイトが変わるとカウンターとサイドベアリングの広さも変化する。細いウェイトはカウンターが広いため、サイドサイドベアリングも広めに設定してあげる
つまり、ウェイトの太いものほどカウンターも狭いのでスペーシングも狭くするとバランスが良くなる。
背景色の変化に惑わされないコツ
白背景か黒背景によってスペーシングの見え方が変わる。
スペーシングの視点集【言語別編】
大文字で意識すること
日本語はひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットなど複数で構成されている。
縦組、横組も存在する。
欧文が生きる組み方、和文が生きる組み方どっちに重きを置くか?
欧文、和文それぞれの特徴を活かした組み方を考える。
大文字のルーツは主にローマの碑文からきている。
ゆったりと組むことで堂々とした印象になる。
小文字で意識すること
小文字で組むと凸凹が生まれるため長文でも読みやすい。
単語としてのシルエットが重要視される。ゆったりさせるとバラついて見える。
ひらがなで意識すべきこと
縦方向、横方向にも組むことができる。
活字の構造に合わせるために切り離された、ひらがな。
横組にすると、文字ごとに縦方向の流れがぶつ切りとなり全体の流れも1文字ごとに止まる印象。
筆法を感じるフォントの場合は窮屈にしすぎない方が自然な印象となる。
ひらがなとカタカナに惑わされないコツ
ひらがなやカタカナはラテンアルファベットと比べ、複雑な形のものが多い。自分らしいスペーシングを見つける
客観視のコツ
脳内にあるキャッシュが邪魔をしている説。
いかにキャッシュを消すか
しばらく間を開ける
別の記憶で上書きする
フィルターを通す → 確認環境を変える
文字を左右反転で見え方を変える。
スマホのレンズ越しで見る
自分なりのキャッシュの消し方を見つけよう
スペーシングの個人差と向き合うコツ
人によって見え方、評価が変わる。
人によって変わる理由は文字の真ん中、文字の端の認識が人によって違うため。
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