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【読書記録】 デザインはストーリーテリング

ストーリーテリングとは?

ストーリーテリングは、情報や経験を物語形式で伝える手法です。デザインの文脈では、ユーザーを引き込み、感情的な繋がりを生み出し、記憶に残る体験を作り出すために使用されます。
この書籍では、「 合理的な問題解決に感情的なストーリーテリングを組み合わせる 」ことで製品やサービスをユーザーの想像力に結びつけ、行動を展開します。

展開

ストーリーの展開は先へ進めるための原動力です。
デザインのプロセスにおいても同じです。うまくデザインされた製品は時間の経過と共に心と体を刺激します。ユーザーの行動を促し、そして記憶に残るのです。

ナラティブアーク

ナラティブアークは、物語の起承転結をデザインに当てはめることで、ユーザーに目的や意図を後押しすることができます。デザインにおいて、ユーザーの体験をどのように展開させるかを計画する際に活用されます。

ストーリーボード

ストーリーボードは、視覚的に物語やユーザーの旅を表現する手法です。デザインプロセスにおいて、ユーザーの行動や感情の流れを視覚化し、チーム内で共有するのに役立ちます。

ヒーローズジャーニー

ジョセフ・キャンベルによって提唱された「ヒーローズジャーニー」は、多くの物語に共通する構造を示しています。デザインでは、ユーザーを主人公に見立て、その体験をヒーローの冒険に例えて設計することができます。

感情

感情とは種が存続するために身につけた適応能力です。
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そして行動のきっかけになるのも感情です。

感情の種類は様々でそれぞれ強弱が違います。
感情はあらゆるデザインに影響を与えます。
今では感情と娯楽性がユーザー体験には必須な要素となっています。

ドン・ノーマンによるユーザー体験の3つの層

ノーマンはユーザー体験を「本能」「行動」「内省」という3つの段階に分けました。

  1. 本能的レベル:直感的な反応

  2. 行動的レベル:使用時の感覚

  3. 内省的レベル:使用後の満足感や記憶

内省は私たちが後から思い出す記憶となります。つまり、時間が経過した後に築く、製品との繋がりです。

マズローのユーザー体験段階説

マズローの欲求階層説をユーザー体験に適用したもので、基本的なニーズから自己実現まで、段階的にユーザーの欲求を満たすデザインを考える上で役立ちます。

エモーショナルジャーニー

ユーザーが製品やサービスを使用する際の感情の変化を時系列で表現したものです。これを理解することで、ポジティブな感情を強化し、ネガティブな感情を軽減するデザインが可能になります。

エモーショナルジャニーによって可視化することで、下記を理解できます。

  • ストーリーの弱点を見つける

  • 最も刺激が増す位置はどこか

  • 展開の最後の終わらせ方、印象の残り方


感覚

ゲシュタルトの法則

人間の知覚の原理を説明する法則群で、視覚的な要素をどのように組織化して認識するかを示しています。これらの法則を理解し適用することで、より直感的で分かりやすいデザインを作ることができます。

アフォーダンス

物体の特性が、その使用方法を示唆する概念です。デザインにおいては、ユーザーが直感的に操作方法を理解できるようにする上で重要です。

多角的デザイン

視覚だけでなく、聴覚、触覚などの複数の感覚を活用したデザインアプローチです。これにより、より豊かで記憶に残る体験を創出することができます。

まとめ

結論として、「デザインはストーリーテリング」という考え方は、ユーザーを中心に据え、感情や感覚を巧みに活用しながら、魅力的で記憶に残る体験を創造するための包括的なアプローチと言えます。これらの要素を適切に組み合わせることで、ユーザーの心に深く刻まれるデザインを実現することができます。

ストーリーテリングの概念をデザインに適用することで、より人間中心で、魅力的な製品やサービスを生み出すことができるでしょう。

今後の課題

  • 具体的なデザイン事例を参考に、各概念をより深く理解する。

  • 自身のデザインにストーリーテリングの要素を取り入れ、効果を検証する。

  • 異なる分野のデザイナーやクリエイターと意見交換を行い、新たな視点を得る。


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