心に空いた穴を埋めに名古屋から磐田の試合を観戦しに行った話
はじめに
僕は文章を書くのがものすごく苦手だ。磐田に彼を見に行ってあふれ出た未練を書きなぐっている文章ですので、誰かに何かを伝えられるような文章でもないことを先にお伝えしておきます。
僕は人に対して思い入れが強くなるようなタイプではない。周りからは「冷たい」と言われるような人だ。ましてや推しているチームを去った選手を追いかけて他のチームのサッカーを積極的に観るような事もしない。
はずだった…しかし、2020年2月23日。僕はヤマハスタジアムのメインゲートに居た。そう、伊藤洋輝選手を見るために。
2019の思い出(一緒に闘った日々)
彼との出会いは2019年の新体制発表会、やたら身長の大きい若手がレンタルで来たなという印象だった。そんな印象しかなかったが、彼が出ている試合を見て一瞬で魅了されてしまった。その時の衝撃は文章を書く事が苦手な僕ですらグランパスファミリーに良さを知ってもらいたいと思い、彼への期待のコラムを書かせてほしいとグランパスのコミュニティサイトにお願いしたぐらいの大きさだった。(下記はその時の記事です)
そんな彼のユニフォームを注文し、ルヴァンなら若手も見られると思い、悪天候でも、忙しくても身体に鞭を打ち(ルヴァンは毎年悪天候なのはなぜなんだろう)、なるべく生の彼のプレーを目に焼きつけるべく現地へ足を運んだ。U20W杯も眠い目をこすりながら彼の奮闘を見守り、W杯後は名古屋グランパス所属の選手として闘った選手達を紹介する記事も書かせてもらった。
その後、成績不振で風間前監督が解任。風間さんのもとで成長したいと集まっていた選手達が移籍の決断やレンタルへ。伊藤洋輝選手も風間さんを慕っていた選手の一人だったので別れは覚悟していた。しかし、新たに就任したマッシモ監督は中盤の人数不足のためシーズン最終戦まで彼をベンチ入りさせた。来季も残るかもしれないという数パーセントの可能性が残った。そんな中迎えた2019シーズン後半に数試合、リーグ戦で出場、名古屋グランパスの15番としての最後の試合はグランパスサポーターの記憶に残るものだったと思う。(下記はその時の思いを綴ったものです)
といった感じで彼との2019シーズンを過ごし、大方の予想通り、彼は磐田へと帰っていった。しかし、そのときの彼の一言は忘れない
またいつか赤いユニフォームを身に付けて、たくさんのサポーターの方々と喜びを分かち合いたいと思っています。
青い15番を観に行く
2月はじめ、J2開幕節の一般チケットが発売。磐田のフォーメーションも伊藤洋輝がどのぐらいの仕上がりかも調べぬままとにかくチケットを確保。出なくてもいいやぐらいの感覚だった。別れた彼女の地元に行って結婚して幸せに暮らしてるのを確認するぐらいのつもりで。
(と言うかホントはルヴァンで当たると思ってたんです....ルヴァンなら若手出すから来るだろうって....)
いざ当日になると困ったことに新幹線の車内では彼がベンチでもいいから入っててほしいと祈る時間。スタジアムまでのシャトルバスでは外し忘れたグランパスグッズに気づいてそれを隠そうとあたふたする始末。変な緊張と久々の寒さに試合前から疲れが・・・
そんな中、素敵な出来事も。ルヴァンで磐田が名古屋と試合するはずだった2月16日の鹿島戦で出会った磐田サポーターの方がヤマハスタジアムであたふたしているところに声をかけてくれた。勝手に「歓迎されてる!」とポジティブになり疲れも吹き飛んだ。名前をお聞きすることもなく、パロマとヤマハで少し会話しただけだが、これも伊藤選手がつないでくれた縁なのでは?と思った。磐田のスタメンが発表され、ベンチの欄に「伊藤洋輝」の文字が。
ベンチに入れたのは伊藤選手が努力したからだろうし、磐田の選手層事情から選出されたのだから自分の想いなど関係ないことなのだが、なぜかそれが後押ししてくれたような気がした。
彼がアップをする姿、球を蹴る動作。全てが懐かしく、そしてそれ以上に新鮮だった。「あぁ、あんな動作だったな。」「あんな風に走ってたな。」「こんな選手達とプレイしてるんだ。」そんな事を思いながら黄色のトレーニングシャツを着た彼を見ていた。
磐田のゴール裏から「ヒロキ!ヒロキ!」(後に磐田サポーターの方からご指摘を受けました。山田大記選手のコールだったようです・・・勘違いして申し訳ないです。)とコールが始まった時、彼が名古屋へ戻ってきてほしいという気持ちより、今ここで精一杯頑張ってほしいという気持ちが強くなっていたし、またヤマハスタジアムに足を運ぼうと心に決めた。
開幕戦は途中出場も果たし、相変わらず味方にたくさん指示を出して、ボールを受けられないと悔しがる。何より、名古屋の時と変わらない奮闘具合、そして名古屋の時よりも任されるようになった守備の部分。2019シーズンと変わらない所や変わった所。両方が見られた素敵な時間だった。名古屋にいた時と変わらないプレーをしたときはやはり嬉しかった。
この時間はジュビロ磐田のサポーター、ヤマハスタジアム、そして前所属の名古屋グランパスがなければ作られなかった時間だと思う。本当にこの時間を作ってくれたすべての人に感謝している。
さいごに
僕の心にいる15番はずっと伊藤洋輝選手なんだということを心の穴を埋めに行って再確認した。
名古屋グランパスからいなくなった以上、伊藤洋輝という選手の記事を書いたり思いを綴ったりすることはこれから少なくなると思う。もし磐田のサポーターの方がこれを見ていたら、名古屋でも応援している人がいる事を心の片隅に留めておいてください。たくさん伊藤洋輝の良さを発信してください。そして僕の代わりにたくさん声援を送ってあげてください。
また、声援を届ける為に必ず磐田へいく。
書ききれないぐらいの想いはありますがこの辺で。
thank you hiroki ito
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