秋津今昔物語
こんにちは!さいとうゆかです。
先日、市内図書館の地域コーナーで出会った、『東村山の昔話』(画と文 池田宗弘 1980年 白馬書房)。木版画で描かれた表紙と「東村山弁」での語りがなんとも味のある1冊です。
かっぱのわび状 (秋津)
おにのぜんい (秋津)
かためのへび (秋津)
きつねのよめいり (諏訪)
きつねきしゃ (諏訪)
雨ごいの竜 (秋津)
きつねの恩がえし (八坂)
八坂神社の御神木 (八坂)
紅葉山のあだうち (秋津)
【秋津】率、高いなぁ!というのが第一印象。というわけで、【秋津】回では、この昔話スポットに行きたい!と心に決めておりました。
それもそのはず。著者である池田さんは秋津の方。ご自身が幼少期にお祖母さまから実際に聞いたお話をまとめたのがこの本なのでした!冒頭で触れた【秋津】率の高さの謎、無事に解決。お話を聞かせてくださった東村山ふるさと記念館のスタッフの方に感謝です。
どれもこれも魅力的なお話なのですが、私の推しは『かっぱのわび状』。現在の久米川町5丁目にある曼荼羅ヶ淵(まんだらがふち)にはなんとかっぱが住んでいて、柳瀬川で遊ぶ子どもの生き肝を抜くと言われておりました。恐れおののいた子どもたち、だーれも泳がなくなってしまって、どうしたもんかと思っていたかっぱたち、ある日川岸で休む馬に襲いかかったんだそうだ。
とっつかまえられたかっぱくんは持明院(所沢七福神の一つですね。)に連れて行かれてお説教。2度と悪さをしないことを約束して詫証文を書き、お寺に納めたそうな。
そこから、ぱったり姿を見せなくなったかっぱが東村山の人たちは懐かしくてたまらなくなった。わざわざ曼荼羅ヶ淵まで出向く人も出てきたりして。そんな時に持明院が火事にあって、詫証文は消失してしまったんだけど、怪我人が一人も出なかったのは、かっぱのおかげなのかもしれないね、というお話。
なんとも、心温まるお話でした。これはもう、実際お手にとって、「東村山弁」と木版画の挿絵で堪能してほしい!
というわけで、かつてのかっぱの都、「曼荼羅ヶ淵」に行ってみよう!!
前回同様、徒歩で!!と思ったのですが、地図で見るかぎり、なかなかの移動距離になりそうでしたので、今回はサイクリング回にいたします。どうぞ、お付き合い下さいね。ちなみに秋津駅第1駐輪場(東村山市秋津町5丁目8番地12)にはシェアサイクルサービスありです。ぜひ!
スタート地点は【新秋津】駅。
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新秋津駅を背にとりあえず、曼荼羅ヶ淵に続く柳瀬川に出てみよう。
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道なりに進んでいくと、
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アユもいるし、かっぱが住んでいてもおかしくない環境。ほんとに遭遇してしまったらどうしよう、としばし戦慄する。気を取り直して、リバーサイドサイクリングだ!と思うのも束の間、川に沿った道がない!住宅街をかいくぐりながら、川からなるべく離れないように走りました。
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ここでなにげなく地図を見てみると、既視感のある点線。
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ギリギリ崖の上行くように生きてきたせいか、危うく東村山を出ちゃいそうになりました。境目ライターの称号を得る日も近いでしょうか。
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ついに、お話に出てくる「持明院」の表示を発見!!目的地は近いぞ!
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早速お邪魔します。
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ということはこの南側が「曼荼羅ヶ淵」ということになる。鼓動が早まる。
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静まり返る境内に一人。念願の「曼荼羅ヶ淵」を前に言葉を失う。何百年も前の村人たちもここからかっぱ、最近出ないね、なんて言って眺めていたのかもしれないななんて。佇むこと数分。おっと、私は大切なことを忘れている。私、今立ってるの、所沢だよ。。こうしちゃいられない。東村山サイドからも見てみよう!と、持明院を後にする。心が浄化される良きお寺でした。ありがとうございます。
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というわけで、無事に曼荼羅ヶ淵に到着できました。聖地巡礼にハマる人の気持ちがよく分かるサイクリングツアーでありました。ここ!読んだ!出てきたとこ!ってなるの楽しいよね。
もともと、危険箇所に子どもが近寄らないように語られたお話じゃないか、とあとがきで池田さんもおっしゃっております。でも実際行ってみるとかっぱ、ほんとにいたんじゃかいかな、と心から思ってしまいました。久しぶりに童心を取り戻せた!
かっぱと人間とが川を隔てて暮らす。たまにいたずらされて、怒ったりもしたけど、最近どうしてるのかななんて気にかけて見に行ったりする。かっぱはかっぱでごめんね、もうしないからさとか言いながら、人間のピンチに一肌脱ぐ。まさに東村山の良いところが凝縮されたお話になっているのかな。
東村山に来て、近隣の方の温かさに驚いたことを思い出しました。こんな私も今年で東村山歴10年。おかげさまで友達もできたし、近所の方にも親切にしてもらっており、日々感謝です。
やさしい気持ちで帰路に着きましたとさ。
お付き合いありがとうございました!