Prologue ~ ぽってりと灯る窓
私はよくある、いつもクラスの端っこにいるような何だか哀れな子供だった。
学校が嫌いだった。よく教室の窓の外を見ていた。
窓の外を見て心のなかに風を入れて、、
授業や友達、周りにある全てのものから離脱して果てしなくどこまでも行ける。連綿と続く空に心だけさらわれていく。
学校という場所から離れ大人になった今、街を歩いていて反対に外から窓を見ることもまた好きになった。
特に夜がいい。ひぐらしの鳴く夕暮れに、寒々した夜の路肩に私の好きな窓はひっそり佇んでいる。
マンションのカーテンからもれる淡くてぽってりと灯ったオレンジの窓の光、家の窓の隙間から見える室内に飾られた風景画やキッチンの一部など私はたまらなくそそられてしまう。
多くは語られないけれどその窓の内側にある空間やそこで暮らす人の営みを、窓がしがない通行人の私にちょっと見せてくれているような気がするのだ。
noteを始めて自分の心にしっくりくる記事に出会ってnoteが自分の中の窓ような存在になってくれればと思っている。
見ず知らずの全くかけ離れた作家さんの世界をnoteという窓から眺めてみたい。
同じように繰り返される日々の中で湿っていく思想に新しい自由な風を吹かせてみたい。
そして都会の夜にオレンジ色の光を放つマンションの一室のように、隙間からキッチンが見える窓のように「私の中身、ちょっと見て」というようなスタンスで少しずつ自分のよしなしごともnoteの中に堆積できたらと思う。