誰のために仕事をすべきか
最近、仕事のやり方について揉めてしまったので、思っていることを書きます。
仕事とは誰のために仕事をすべきなのでしょうか。
まず議論の余地がないのは、自分のために仕事をすべきだと言うことです。
生活のため、幸せになるため、働く幸せを感じるため、自己実現をするため、様々な理由はありますが少なからず自分のために仕事をしているはずです。
ですが、人は自分のためだけに一生懸命働けるほど単純ではありません。
自分のやっていることは価値があることだ。誰かの役に立つことだ。そのために一生懸命働こうと思います。
私は自分以外の「誰のために働くべきか」を話したいと思います。
ある人は仕事の収入で家族や恋人を幸せにするために働くかもしれません。
ある人はお客様を幸せにするためかもしれません。
ある人は同じ会社の人の役に立つためかもしれません。
人によってそれぞれ違うかと思います。
しかし、私は絶対に「お客様のために働くべき」だと考えています。
仕事そのものが誰かを幸せにしなければ意味がないのです。
ところで、ここで言うお客様とは誰のことでしょうか。
それは、自社の製品・サービスを利用してお金を払っていただける方、間接的に利益に貢献している方のことです。
なぜお客様、つまりお金を払っていただける方のために働くのか。
それはお金があれば、より良い製品・サービスを開発でき、より多くの人に届けることができるからです。
たった一人にだけ貢献すると言うことも素晴らしいことですが、どうせならより大きな貢献をより多くの人に提供すべきだと思うのです。
今の資本主義の世の中で、より多くの人により大きな貢献を届けるためにはお金が必要なんです。
だから、お客様のために働き、お金をいただいて、それを元により大きな幸せを多くのお客様に届ける。
これが仕事のあるべき姿だと思います。
ちなみに、NPO法人やボランディアなどお金の発生しないことは無意味だと言っているのではありません。
ただしそれは、「仕事」ではなく「志事」だと思います。
無私利他の精神で行う志事は素晴らしいと思います。
利益の最大化しか考えていないと、サービスを受けたくても受けられない人が必ず出てきます。
そういう方の支えになることも必要なことです。
話は変わりますが、なぜこんなことを言っているかというと、仕事とは上司のエゴを満たすためにすべきではないと言いたいのです。
確かに社内政治は業務を円滑に進める上で必要かもしれません。
社内の人間関係をスムーズにすることで、スピーディーに質の高い仕事ができるようになり、その結果お客様に貢献できるようになると思います。
しかし、上司のエゴを満たすことを目的にしてはいけないのです。
私も経験がありますが、長く上司をやっていると部下に自分の思い通りに動いて欲しいと思ってしまいます。
上司という立場は、指摘されることが少なく、特に事業がうまく行っている時は「俺のやり方が正解だ!部下のやり方は間違っているから教育してやろう」と思ってしまいがちです。
そうすると部下は、上司に気に入られるために仕事をするようになります。
上司のやり方に一致しているやつは優秀なやつ、上司のやり方に一致していないやつは無能なやつだと判断されるようになります。
その結果、お客様をおざなりにし、サービスの質が下がり、そのため収益が下がり、腐った会社になります。
社員はお客様のために仕事をしなければなりません。
上司もお客様のために仕事をしなければなりません。
お客様とはお金を払って、商品・サービスを購入してくれる方のことです。
採用担当など直接利益に結びつかない業務の人も、「お客様に価値を提供できる人間を採用する」と考えて仕事をしなければなりません。
最悪なのは、社長自身が気持ちよく仕事をするために社員を働かせることです。
私がマーケティングをしていた会社の社長はこのタイプでした。
「自分はこのやり方で幸せになることができた。だからお前たちもこのやり方を通して頑張れば幸せになれる。」
筋が通っているように感じるかもしれませんが、ただただ社長への依存を生み出すだけです。
そして、依存された社長は気持ちよく仕事をしていて、いつまでも忙しい忙しいと言って新しいサービスを提供することも、新規顧客開拓をすることもせず現状維持をよしとします。
バカじゃないですか。
どんなに綺麗な水だって、ずっと停滞していればやがて腐ってしまいます。
まぁ、社長はその頃には引退しているかもしれませんんが。
しかし、困るのは社員です。
これまで自分を評価してくれた人がいなくなるわけですから、今度は他の依存先を見つけなければいけません。
こんな社員は不幸だと思います。
しかし社長は「仕事を通して幸せを実現するんだ」と心の底から思っているのです。
「仕事を通して不幸を実現している」のは他ならぬ社長なのに。
しかし、社長の考え方を変えるのは至難の業です。
特に現状うまく行っていて(そう見えるだけ)、周りからも評価されていると「自分が正しい」と思うことは当然のことです。
ですから、私はこの社長の元を去るのです。
他の社員もこの社長の元を去っていっています。
過去8人中4人が辞めようとしたこともあるらしいのですが、その時は社長が自分の考えを諦めて社員に自由にさせることで離職を食い止めました。
今回は私を含め9人中2人が辞めようとしています。
今後も自分の考えを変えずに、忙しい忙しいといって新規開発も顧客開拓もせず仕事をするのでしょう。
まぁ、少なくとも数年は右肩上がりに業績を伸ばすと思います。
それだけ強い製品と需要がありますから。
そして、停滞し、業績が下がり始めたら自分はリタイアして幸せな人生を送るのでしょう。
人の人生を否定はしませんが、私はこの社長との関わりをやめ不幸な人生からおさらばします。
サポートしていただけると、泣いて喜びます! 嬉しくて仕事をめちゃめちゃ頑張れます。