グッバイ マイ リトル ハイド
ちょっと前から、ぼくはアイドルをやっている。
(この一文を説明すると、1時間かかる。なので説明はしない。知りたい方は、kento fukayaのYouTubeを見てほしい。)
ぼくの歌割りは少ない。
「歌い方がビジュアル系なのよ!だから使えないのよ」
プロデューサーからの言葉だった。
「いっぺん自分の歌聴いてみて!」
プロデューサーすぎる。ドラマとかで見たことある。
ほんまにこいつとぼくは同期なのか?
送られてきた動画を見る。
ブースで歌を収録しているぼくの動画だ。
(クラウドファンディングのやつ)
ぼくがカラオケによく行くようになった中学から高校の頃。
空にはGLAYの顔の飛行機が飛んでいた。
ぼくはカラオケでラルクばっかり歌っていた。
hydeのように歌えれたらいいなと思って、歌っていた。
「歌い方がビジュアル系なのよ」
ぼくは自分でも気づかないうちに、自分の喉の中で小さなhydeを育てていたのだった。
育ったのち、hydeはそこを巣立つことなく40歳になる年までいっしょにいてくれたのだ。
ぼくはプロデューサーにその発見を説明した。
ぼくの喉にはhydeがいる。
「じゃあ次の新曲作ることなったら、それまでにそのhydeどかしてきてよ!」
プロデューサーすぎる。
ぼくはhydeにきちんとサヨナラを伝えることができるのだろうか。
季節は穏やかに終わりを告げるのだろうか。
ライブのチケットを買ってくれた方がお互いのためだ!