【編集長のつぶやき vol.608】 ホテル業界が「バイキング朝食」を続々と再開。「弁当」「テイクアウト」の朝食は消え去る運命なのか?
2022.04.10
※写真はホテルマイステイズ岡山 報道資料
こちらのマガジンは、メールマガジン、及びブログ「まちおこし編集長の取材ノート」で約10年に渡り、掲載し続けてきた「編集長のつぶやき」が600号を迎えたのを機に、noteに引っ越したものです。599号までのバックナンバーはコチラをご覧下さい。
2020年春に発生したいわゆる「コロナ禍」から、丸2年が経過しました。
ご承知のとおり、交通・観光・飲食・宿泊業界は、現在に至るまで大きなダメージを受け続けており、「コロナ前」の水準には回復していません。
さて、今回のお話は、ビジネスホテル・シティホテル業界の「朝食」についてです。
この業界では、コロナ禍以前まで、多くのホテルチェーンが「和洋バイキング形式の朝食」を競い合ってきました。
しかし、コロナ禍にあって、多くの料理が露出した状態で並び、密になりやすいこの形式は、真っ先に「自粛」を迫られることになります。
多くのホテルでは、これまで人気だったバイキング形式から、個食形式や弁当・テイクアウト形式への変更を余儀なくされました。
朝食の提供そのものを中止したホテルも少なくありません。
一方、あえて名称は出しませんが、コロナ禍にあっても一貫してバイキング形式の朝食を貫き続けたホテルチェーンも存在します。
ただ、さすがにコロナ禍の発生から2年近くも経つと、バイキング形式それ自体がそこまで「悪」なのか?と、多くの人が疑問に思い始めたことでしょう。
こうした中、2021年の後半あたりからでしょうか、この業界ではバイキング形式の朝食を「再開」する動きが加速しています。
もちろん、検温やマスクの着用、手指のアルコール消毒や使い捨て手袋の使用、座席配置の工夫やアクリルパネルの設置など、「やれる対策は全てやる」という前提があるにせよ、ホテル側がバイキング形式を「再開」するとアナウンスしても、批判めいた声はもはや、殆ど聞こえてきません。
では、コロナ禍以前のように、ビジネスホテル・シティホテルでは、「朝食はバイキング形式が標準」という状況に戻るのでしょうか?
必ずしもそうとは言えないでしょう。
なぜなら、バイキング形式の再開を心待ちにしていた層の中にも、個食形式や弁当・テイクアウト形式に「開眼」してしまった層が一定数いると思われるからです。
とくに、客室内に食事を持ち込める弁当・テイクアウト形式は、その内容やクオリティの高さにもよるとは思いますが、個室でゆっくりと食事をとれる体験をしてしまうと、もはや朝食会場には戻れない、と感じてしまう人も少なくないはず。
増して、BENTOは今や、ニッポンを代表する食文化のひとつ。
様々な企画・提案がぎっしりと詰まった弁当は、駅弁や空弁がそうであったように、新たなホテ弁?という文化さえ生み出す可能性だってあります。
もっとも、ビジネスホテルではなくシティホテルであれば、多くの場合、古くから「仕出し弁当」を提供していたこともあり、朝食・昼食・夕食を問わず、弁当にも「それなりのレベル」が期待されて然るべきでしょう。
一方、個食形式については、好きなメニューを好きなだけ選択できるバイキング形式に比べ、弁当以上により企画力・提案力が問われる提供方式です。
バイキング形式が全盛の中にあって、コロナ禍以前からあえて自慢の和定食・洋定食を出していたホテルは、もともとその企画力・提案力に自信があった、とも言えるでしょう。
故に、バイキング形式を中止し、それに変わって秀逸な個食形式の朝食(和定食や洋定食など)を編み出すことができたホテルは、逆にその評価が高まった可能性もあります。
直近の約1年間、ニュースサイト「遊都総研.com」とPR記事サイト「遊都総研PR」に掲載した記事の中で、これに関連する記事をいくつかピックアップしてみました。
実は、弁当に限って言えば、朝食よりも昼食や夕食の方が「記事」としては多いのですが、ここではあえて朝食の記事に絞っています。
【PR記事 広島県広島市】 朝食の「おにぎらず弁当」が秀逸!「グリーンリッチホテル広島新幹線口」さん、この弁当はコロナ禍が収束しても続けて下さい。 遊都総研PR 2021.08.26
【PR記事】 相鉄ホテルマネジメント、キャッシュレス決済ホテル「相鉄フレッサイン名古屋駅新幹線口」を開業、朝食は和食・洋食の日替り弁当BOX 愛知県名古屋市 遊都総研.com 2021.10.04
【PR記事 兵庫県赤穂市】 播州赤穂駅とは2階デッキで直結の「東横イン播州赤穂駅前」。朝食は、弁当・カレー・パンを客室でガッツリ! 遊都総研PR 2022.04.05
なお、当編集部では今後、ホテル業界での「弁当」や「テイクアウト」について、継続して取材を続ける予定です。
まちおこし・観光・不動産ニュース遊都総研.com 編集長