30年使ってもらえるプロダクトはWeb業界であり得るのか

個人的な目標として、10年、15年使ってもらえるプロダクトを作るというのがあるのだけど、Web業界でそんなのあり得るのかとずっと疑問だった。クラウド基盤のようなインフラ、ほとんどインフラと化しているようなアプリはともかく、そうでない、テックジャイアントじゃない一般の企業が作ったアプリケーションでは、リリースから5年経過していれば歴史が長い方なんじゃないかと思っている。

ところがゲーム業界に目を向けると全然様相が違っている。家庭用ゲームなんかはPS1の発売が1994年なのでファミコンのソフトなんかはすでに30年以上の歴史がある。
例えばバーガーバーガーというゲームは発売が1997年なので27年前の作品だが、現在もRTA走者という形ではあるがユーザが存在していると言えると思う。
もちろん今製品として競争力がある状態で、市場で売れていると言えるのか微妙だが、27年という歳月は驚異的だと思う。実際中古ソフトにプレミアがついていたりと、ゲーム性が高く評価されている。
少なくとも27年経った今でもこのUIが素晴らしいとか、この設計はダメとか議論できるのは素晴らしいことだと思う。

当時の実在のハンバーガーチェーンをもじったりしているネタが多いゲームなのだが、それらのチェーンが全部現存しているので時代性をあまり感じないのも面白い。

テイルスアドベンチャーなんかもアイテムの多彩さや組み合わせてゲーム性に幅を持たせていて完成度が高くて今遊んでも普通に面白そう。あとテイルスくんがかわいい。

こういう様相の違いを見せられると少し考えてしまう。Web系の世界でははっきり言って何をどう作ってもフラットデザインUIの変わり映えしない退屈なものができるだけだ。しかも時間が経てば依存してるライブラリがメンテされなくなって動作させることすらできなくなる。だから使い捨て前提で作られる。「作り込む」ことはプロダクトの価値に貢献しないし、むしろそんなのは不要だ。これからは何でもAIが自動で作ればいい。そんなことよりさっさとリリースしてマーケティングして金を儲けるのが正義。そういう世の中だ。

新年早々、気が滅入るような話になってしまったが、2025年はこの終わりのないラットレースから抜け出せるように努力したいと思っている。

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