青春病と一周年
noteを開いたらこのブログを始めてから一年が経ったことを知らされた。思えば去年の留学中に、暇で暇で文章を綴ることで思いを発散する場所を求めてたどり着いたのがここだったわけで。帰国してからも細々と更新を続けてきたいわば感情の掃き溜め。と言わんばかりに赤裸々に、でも大事なところはオブラートに包んで晒しあげない程度には継続してきた。たった一年で人生が劇的に変わることなんてないんだけど、時々見返してみてこの時こんなこと考えていたんだなぁとか振り返ってみるのはなんだか楽しいのは事実で。こんな感じでのそのそと文章を書くことは続けたいと思う。
先週の木曜日、藤井風のライブにいった。今年の一月ぶりに対面での(オンラインではない)ライブにいった。武道館ということもありなんだかテンションが上がっていて、生で聴く演奏はやはり良いものだと思った。今年になってから音楽を聴く時間自体は増えた気がする。それは家にいる時間が長くなったこともあるし、聞きたいと思う曲やアーティストがいるからで、2020年の筆頭が今回ライブに行った藤井風だった。
彼の魅力を書き上げるにはとても語彙力が追いつかないが、端的にいって身にまとっている雰囲気というか、口調やトーク、それから歌詞で現れてくる言葉の節々に彼独特のセンスを感ぜざるをえない。彼の努力ももちろん認めているが演じているわけではない、圧倒的に天性のものを感じる。動画を数本見てまんまとハマっていった。あの飄々とした風貌の中に裏打ちされた哲学があって、昔自分がなりたかった姿だとも思った。おこがましいけど。
そんな彼のライブを聞いていて印象的だったことが2つある。1つ目はタイトルにあげた「青春病」という新曲である。ここで本邦初公開の曲だったのだが、このタイトルとそれから会場に映し出されていた歌詞をみていて頭を後頭部からガツーンと殴られたような気分(初めて味わった)になった。というのは自分が今置かれている状態がまさにそれだと思ったからだ。定常的な位置に止まろうとせず流動的な状態を好んでいるのはまさに自分が「青春病」に罹患していて、諦め悪く「何者」かになろうとし続けているからだと思う。正直にいってさっさと定職につくことはできるが、どうしても諦められない何かがあって、だからこそ青春じみた青臭い夢を語ることを今でもやめていない。このモヤモヤしている状態を端的に表現された気がしたのだった。
もう1つは「帰ろう」という曲を聞いていて号泣というほどではないにせよ涙が出てきたことである。もともとこの曲が一番好きではあったものの、実際に生でライブで聞いたことによって身体の奥の方から熱く込み上げるものがあってそれが涙として表出された。最近はオンラインでどうにかライブ欲を抑えてきていたが、やっぱり実際に足を運んでライブをみることの意義を感じた。エンタメ産業はまだ逆境状態にあるが、鬼滅の刃の大ヒットとかを見ているとまだ可能性を感じる。徐々にではあるが一時期に比べると状況は良くなってきている気がする。
もうすぐ、というかもう冬がきている。感染を忘れないまでもきちんと対策をした上でまたあの熱狂と感動の渦に、音楽に没入する日々に戻っていける、というか新しい形が構築されることを祈る。