憎き迷惑メールが消滅する未来が見えた
Googleのメール送信者のガイドラインというものがあり、この対応に最近追われている、という記事を書いた。正確にいうと、対応に追われているのはぼくの同僚であり、ぼくは「大変そうだなあ」と話を聞いているだけである。
ワンクリック登録解除が義務化される
前述のガイドラインで、1日5,000件以上の広告メールを送信している人は、ワンクリックで購読解除できるようにしましょう、と示された。この対応がけっこう面倒で、頭を悩ませている送信者も多いと思う。
メールソフトを開くと、たまにメール件名の横あたりに「登録解除」等と書かれたボタンが表示されることがあるが、あれを義務付けよう、というわけである。
日本の法律では義務付けられているわけではないが、Googleのガイドラインに明記されてしまったので、Gmailアカウント宛に広告メールを送りたいならば従うしかない。
配信停止がこれまで面倒すぎた
ぼくは受信トレイに無駄なものを一切含めたくない人間なので、身に覚えのない広告メールが届くと、頑張って一件ずつ配信停止の作業をしていた。
10年くらい前は、送信者のURLすら記載されていないこともよくあったが、最近は「配信停止はこちらから」と親切に解除用URLが示されている。それでも、停止にはパスワードが必要だったりして、イライラしていた。
今後、ワンクリック登録解除が本当に浸透するのだとしたら、「不要なメール配信は停止する」という当たり前のことが容易にできる世界になる。これは素直に嬉しい。
解除代わりにスパム報告を使うのは良くないと思う
逆に、自分は配信を希望しているのに、なぜか迷惑メールのトレイにそれが届いて不便を感じることがある。きっと、他の受信者がその送信者からのメールをスパム報告しているせいだろうな、と想像している。
配信停止の手続きが面倒なのはよくわかるが、だからといって、公式に解除方法が明記されているものをスパム扱いするのは気が引ける。なので、ぼく自身は一度しかスパム報告をしたことがなかった。ちなみに、その一度は本当に解除方法が存在せず、やむを得なかった。
ワンクリック登録解除が普及すれば、配信停止の代わりにスパム報告をする人も減るだろうから、メールが正しいトレイに届きやすくなると思う。これも素直に嬉しい。
まとめ
メール送信者ガイドラインを読んだ感想を、受信者の視点から書いた。
ところで、世の中の人は自分が迷惑だと感じたら、それがどのようなメールであれ、「迷惑メール」と判定するのだろうか。ぼくは、架空請求やウイルスなどを含むメールをスパムと呼んでいた。広告メールをスパムと判定するのは、それが身に覚えのない送信者からのメールであり、かつ解除方法がない場合に限る。
スパムの語源について調べたところ、どうやら肉の缶詰のスパムらしい。あるレストランで、客はスパムを食べたくないと考えていたが、その店ではすべてのメニューにスパムを使用していたので、避けることができなかった。この話から、一方的に送りつけられて回避できないメールをスパムと呼ぶようになったらしい。
これをふまえると、やはり自分の意思で購読を開始したものを、興味がなくなったという理由でスパムと呼ぶのは、送信者が少しかわいそうだと思う。スパム報告をされると、送信者の信頼性が下がって、メールが送れなくなるなどのペナルティがあるのだ。