鉄腕アトム別巻を読んで

ちょっとしたきっかけで「鉄腕アトム別巻」を読みました。
内容はアトム本編以外の短編が収録されているのですが、特に「アトムの最後」が見たく、買いました。でお目当ての「アトムの最後」はなかなかぶっ飛んだ世界観の話だったのですが、妙に登場するロボットの言うことが論理が通っていて、ゾッとする内容でした。ただ、当時の学生運動ムードの頃に書かれた本でニヒルな内容にしてるとのことでした。(あとがきに書いていた)

全体的にアトムの連載開始からだいぶ時間が経ってから書かれた内容もあるため、手塚さんもエンターテイメントよりもメッセージ性を重視しているに感じました。特に初めの「アトム誕生」では手塚さんが自ら出演して、説教たれてました。彼のメッセージの一つとして、ロボットに限らず、科学文明が人間を幸せにするのか?ということを考えて欲しいとのことでした。(企業の利益を最大化するじゃない)

「アトムの最後」の他に「アトム二世」という話もあり、これはロボットと人間のあるべき関係、科学文明のあるべき姿、人間の愚かさを書いているように思えました。なかなか大人向けのアトムで面白かったです。

この鉄腕アトム別冊と並行で「ガラスの地球を救え」も読んでいます。これは手塚さんのエッセイですね。戦争のことにも触れていて、そろそろ皆んなが意識しないといけないようなことが書かれていました。

もう10年くらいしたら、第二次世界大戦を経験した人はいなくなるので心配なのですが、正直自分がこれに関して何をしたらいいのか分からないです。でも、手塚さんはこのエッセイで何かするんだ!と言っています。答えを考えている間に戦争が始まってしまいそうですが、自分も考え続けます。

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