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映画「テルマ&ルイーズ」をU-NEXTで見ました。女性としての自由を求めて。

映画「テルマ&ルイーズ」を見ました。女性2人(テルマとルイーズ)の週末のバカンスのはずが、テルマを襲った男をルイーズが殺してしまったために、逃走のために旅になってしまう話です。殺人という事実から逃げているのはもちろん、戻ることによって女性の役割に押し込まれる現実や、女性というだけで虐げられる現実からの逃走とも言えます。逃げるというと後ろ向きな感じですが、それは抵抗であり、逃げ切れた時、それは勝利です。

暴行未遂犯を殺してしまってからの、二人の目的(逃げるというのはわかるのですが、どこに逃げるか)は全くわかりません。しかし、捕まったら危ないということは分かりますので「この先どうなるのか?」と緊張感を持ってみられます。二人も対立したりもしますしね。とりあえずメキシコに向かうことにします。お金を持ってきてくれたルイーズの恋人はルイーズに結婚を求めますが、「タイミングが悪かった」と断られます。そのお金はヒッチハイクしてきた青年(実は強盗犯)と、テルマが一夜を共にし(テルマにとって最高のセックスだった。暴行されそうになった記憶も古くないのに、旅先で出会った男とすぐ寝るのもどうかな、と思いました。暴行犯を殺すことになったルイーズは怒るかなと思ったけれど、最高のセックスできて良かったねという感じだった)、その後その青年だけ部屋に一人残したことで盗まれます。そのためにテルマは強盗をします(青年の話をもとに)。二人は口喧嘩しながらも、共に逃げ続けますが、最後は警察に追い詰められ渓谷へと車を突っ込ませます。

ルイーズにとっては退屈な日々を、テルマにとっては威圧的な夫から一時的な退避のための、ちょっとした小旅行のはずでした。旅から戻ってみれば何も変わらないはずの。人を殺した時、彼女たちは自首しなかった。男は暴行犯なのだから、正当防衛を訴えられたかもしれない。しかし、できなかった。何故かというと、テルマは酔っ払っており、男と二人で店を出たから(テルマが気分が悪くて外の空気を吸いたかっただけだが)。この事実が「男の誘いに乗った」と解釈されるとルイーズは判断したからです(ルイーズが過去にテキサスで暴行されたことを作中で仄めかしている。過去の経験からの判断だろう)。その後の旅でも犯罪を犯すことになるのですが、彼女らを犯罪者にしたのは、男性有利の社会のせいだとも言えます。警察官の中で彼女らのことを考えてくれる刑事がいます。映画上映して当時の現代の女性について説明役として彼はいるのでしょう。殺人から始まったふたりの旅ですが、18歳で結婚し男は威圧的な夫しか知らないテルマにとってはその逃走は刺激的なものだったらしく、性格も変わっていきます。優柔不断さがみられた性格が大胆なものへと。象徴として、最初は吸えなかったタバコが、最後は普通に吸ってました。最高のセックスも経験しました。ルイーズは最初からある程度完成された人格を持っていたので、そこまで劇的に変わりませんが、テルマに影響されてでしょうか彼女もまた大胆になります(終盤のトラックの運転手を撃つ場面とか)。テルマを最高の友とも認めていきます。最後、渓谷に落ちることを選択するのもルイーズです。自首することも出来ました。彼女たちに肩を持つ刑事もいたので、もしかしたらそんなにひどい刑にはならなかったかもしれません。それでも、彼女たちは渓谷に落ちることを選びます。落ちるというよりは、飛ぶといってもいいでしょう。逃走の間は彼女らは自由でした。今後ことを考えれは、男に従わなければいけない場面もあったとは思いますが、逃走の間今だけのことを考えば良かったのです。女というだけで、下品な言葉をかけてくる人間に対して黙って通り過ぎるのを待つのではなく、反抗してもいいのです。暴力を見せたら銃を撃てばいい。逃走のだけ、彼女らにとっては女性がさせられる社会的束縛から逃れられてました。もし彼女たちが自首すれば、たとえそれが罪に取られなくても、逃走の間のような自由はもう二度と手に入らないでしょう。彼女たち二人は今の現実にNOをつけつけるように、渓谷から飛んだのです。自由を知った彼女たちは、もう窮屈で抑圧を求められる現実には戻れなくなってしまったから。

アメリカの広大な土地を見るのは良いですね。それだけで楽しい。冒頭、左端から画面真ん中に向かって歩くウエイトレスのルイーズ。カメラは彼女を追っていき、彼女がこの映画の登場人物とわかります。若者に「タバコなんて吸うとセックスに響くわよ」と語る彼女から性格が見えてきますね。で次の場面でタバコを吸っているルイーズ。ルイーズは店からテルマに電話して、場面はテルマの家へと変わります。テルマは旦那に旅行することを言ってません。「許さないからだろうな」と思います。当日の朝、夫に旅行の許しを得ようとしますが、結局言えません。彼女は抑圧的な夫に逆らえず、あまり自信がない感じ見えてきますね。冒頭での二人の性格の見せ方は完璧ですね。どういう人物かよくわかります。

最後の逃走場面で俯瞰で撮っている場面があるのだけれど(1:59:00頃)、ルイーズたちの車が上の方にあるんだよね。上の空間が少ないから窮屈に感じる。逃走できないことを暗示しているのかな。

最後が全くどうなるかわかりませんでした。捕まって終わりってわけにもいかないし。自殺って勇気いると思います。しかし彼女たちはそれを選んだ。なぜ彼女たちがそうしたかを感がずにはいられませんよね。考えさせられる良い映画でした。


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