映画「L.A.コンフィデンシャル」をPrime Videoで見ました。50年代LAの裏の顔。
「L.A.コンフィデンシャル」を見ました。昔一回見てます。原作小説も読んでます。すごく面白くて夢中になって見てしまった。しかし、何でこんなに面白いのだろうか?
1950年代当時、LAの裏の顔であるマフィアが捕まったことで暗黒街が混乱しているさなかに起こった事件(カフェで元刑事を含む6人が惨殺された「ナイトアウルの虐殺」)事件を捜査するロス市警の3人の警官を描いていく物語。
事件を追うという部分でミステリーと言われると少し違う、サスペンスかと言われてもこれまた少し違う、ジャンルをわけるならクライムムービー(犯罪映画)というようだ。
ロサンゼルスという一つの都市が舞台として描かれる。犯罪者たちも、その都市の中での権力にとどまる(それ以上は目指さない)。組織もロサンゼルス市警に限定されている。限定された空間での物語とも言える。
主人公格の三人は、ジャック・ヴィンセンス(麻薬課の刑事。新聞記者に情報を流し裏金を得ている。ユニークな感じで、都市に生きる男って感じ)、バド・ホワイト(女性を殴る人間許せない人。正義感はあると思うが、その正義のためには刑事が行う以上の暴力も辞さない)、エド・エクスリー(真面目であり規律に正しい。出世欲もある)。その三人が扱う事件が絶妙に重なり、その謎を追っていくうちに警察の内にある巨悪と出会う。最後は銃撃戦。
事件の謎も映画を見せる力になっていると思うけど、それ以上に事件を追う中で詳らかされていく三人の姿を見たいと思わせる。予想される軋轢。過剰な暴力によって犯罪を抑止する中にいるバド・ホワイトの苦悩みたいなものが演技で見せられ、それは直接には語られないのだけれど、そういうものを見せられるとますます人間的に知りたくなり、人物を追いたくなる。正義と出世両方ないまぜの感情で警察内の仲間を売る、エドの本心も知りたくなる。エドは真犯人でない人間を殺して、英雄となった。真犯人を捕まえれば自分の地位も怪しくなる、そうなった時彼は正義を選ぶのか、そのような予想される選択肢が続きを見たいとさせる。ジャックは記者に情報を売ることを何とも思ってないようである。そんな彼でも、エドと共に真犯人を追おうとする。ジャックの場合、ひょうきん感じがしてこの魅力に惹かれる。人物造形の教科書とも言えるかもしれない。
物語冒頭の「ナイトアウルの虐殺」は凄惨極まりなく、その映像描写がその後展開を暗示し、期待させる。マフィア、娼館、政治家を脅し、検事を脅す、裏の世界の人間、悪徳刑事。と犯罪小説のガジェットが詰まっていますね(原作は犯罪小説の嚆矢とも言われる作品だからね。もしくはこの作者のこれ以前作品が)。そういうガジェットも期待させるよね、面白い物語として。
三人が犯罪を追い、段々と事件を追い、確執しながらも、最後には悪徳刑事を殺すまでを描いている。最後の銃撃戦派手でよかった(派手といっても直前に見た「マトリックス」とは違い、現実的な範囲での派手さ)。
人物造形が素晴らしく、面白い作品でだった。
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